【実は間違ってる?】「敷居が高い」は高級で行きにくい、じゃないの?
日々新しい言葉や変則的な使い方が目まぐるしく生まれていく日本語。時代の流れに伴う変化は必然ですが、本来の正しい意味や用法を理解しているかどうかは、イチ社会人として重要。実は知らずに間違った使い方をしている慣用表現、ありませんか?まずは、日常的によく使われる慣用表現の正しい使い方をチェック!あなたの日本語力は大丈夫?
「敷居が高い」は「高級で行きにくい」?
さて「敷居が高い」という表現、きっと一度は聞いたことがあるかと思います。会話にもよく出る、超!がつくほど頻出の慣用表現ですが、どんな場面で使っていますか?
「あのフレンチは庶民にはちょっと敷居が高いよ…。コース5万円からだもん」
もしこんな使い方をしている人がいたら、実はそれ、間違った使い方です!
高級な場所や、上品で格式の高い場所などに対して「気軽に行きにくい、気が引ける」といった意味で使われがちな「敷居が高い」という表現。確かに「そこへ行きにくい」という意味は持っているのですが、その理由はラグジュアリーだからというわけではないのです。
「敷居が高い」理由は、負い目があって気が引けるから!
では「敷居が高い」の元々の正しい意味とは?
それは「相手に不義理なことをしたため、負い目があって行きにくい」です。
迷惑をかけたり義理を欠いたりしたために、そこへ行く気になれないということなんですね。だから本来はこんな場面で使うべき。
「伯父には多額の借金をしたあげく返済もまだなので、敷居が高くて顔を見せにくい」
こういった、自分に後ろめたさがあるときに使うのがふさわしい表現なのです。
ですが、文化庁の令和元年度「国語に関する世論調査」によると、56.4%が誤った理解をしているという現状だそう。そのため、現在辞書などでは「高級で行きにくい」という用法も“許容”の範疇として扱われるように変化しています。“誤用”が、時の流れで“許容”に変化しつつある慣用表現の代表格ともいえるでしょう。
正しい意味を知ることで、社会人のたしなみを
言葉は変化していくものですから、「間違ってる!」と断じるのはナンセンスかもしれません。でも正しい意味が存在する以上、それを知ることは社会人としてワンランクアップになるのではないでしょうか。普段何気なく使っている表現、ぜひ再確認してみてください。