WBA/IBF/WBOヘビー級タイトルマッチ
WBA/IBF/WBOヘビー級チャンピオン、オレクサンドル・ウシク(36)の次戦が決定した。残念ながらWBC王者タイソン・フューリーとの統一戦ではなく、8月26日にポーランドのヴロツワフで、WBAレギュラー王者のダニエル・デュボア(25)と対戦する。
元クルーザー級4冠統一チャンピオンで、現ヘビー級3冠チャンプのウシクにとっては、2022年8月20日のアンソニー・ジョシュア戦以来のファイトである。
ご存知のように、ウシクの国籍はウクライナだ。祖国はロシアの侵攻を受け、毎日のように同胞が命を落とし、家を破壊されるといった状況下にある。もっと頻繁に試合を重ねたかったウシクも、戦火を逃れるために母国を離れねばならなかった。
2019年10月のヘビー級転向後、ウシクは、年に1度のペースでしかリングに上がれていない。20戦全勝13KOの3冠ヘビー級チャンピオンは、自身の勝利がいかに祖国に歓喜を齎すかを熟知している。だからこそ、フューリーとの統一戦を望んでいる。
だが、フューリーはこの一戦を熱望していると発言しながらも、不誠実な交渉、デッドラインの強要、あるいは不公平な分割払い要求などを繰り返し、非難を浴びている。
英国出身で、目下19勝(18KO)1敗のデュボアは、2020年11月28日にジョー・ジョイスに10ラウンドでストップされ、キャリア初の敗北を喫した。昨年末のケビン・レレナ戦でもファーストラウンドに3度のダウンを奪われている。第3ラウンドに逆転KO勝ちを飾ったが、打たれ脆さを露呈した。25歳の若さが武器だが、順当にいけばウシクの防衛だろう。
傷付いた兵士たちの慰問訪問を続けるチャンピオンは、文字通り祖国のためにリングで戦うであろう。果たして、どんな一戦となるか。