乳化と非乳化の科学
こんにちは!スパイスのともさんです。
今回は、「乳化」についての話です。
「乳化させるにはどうしたらいいの?」
「乳化しないようにするにはどうしたらいいの?」
「乳化させることにどんな意味があるの?」
そんな疑問をお持ちの方は、この記事を読んで頂ければ、「乳化」をコントロールする知識が得られると思います。
また、より詳しい内容は、下記のサイトをご覧ください。
〈関連記事〉
「スパイスカレーの『乳化・非乳化』について(〈SPICE CURRY LABO〉)
①乳化とは
②乳化させる理由
③乳化状態をキープする方法
①乳化とは
水と油は溶け合うことができません。
例えば、蓋ができる容器に、水と油を入れても上下に分かれた状態になります。
この状態が『非乳化』の状態です。
かき混ぜたり、振ったりすると、しばらくは白濁し溶け合ったように見えます。
この状態が『乳化』の状態です。小さな、水滴と油滴が混ざり合った状態です。
しかし、時間がたつとまた上下に分かれた状態、つまり『非乳化』の状態に戻ってしまいます。
しかし『乳化』の状態を長時間キープする方法があります。
それは、「乳化剤」を使う方法です。
ドレッシングを例に挙げると、分かりやすいと思います。
イタリアンドレッシングは、初めは、上に油分、下に水分が分離した状態になっています。
使う前に何度か振って乳化状態にしてから、サラダにかけて使います。
でも置いておくとまた分離した状態に戻ります。
これは、イタリアンドレッシングには「乳化剤」が入っていないからです。
これに対し、フレンチドレッシングは、初めから分離していません。
白濁した状態がキープされています。
これは、フレンチドレッシングに「乳化剤」が入っているからです。
ちなみにキューピーさんのフレンチドレッシングには、「乳化剤」として卵黄が使われていました。卵黄に含まれる”レシチン”という成分が、乳化を安定させる働きを持っています。
②乳化させる理由
では、なぜ食品を乳化させる必要があるのでしょうか?
それには、2つの理由があります。
・味の均一化
・粘度が増す
まず、「味の均一化」についてみていきましょう。
食品の中には、水に溶ける成分Aと油に溶ける成分Bが混在しています。
例えば、『非乳化』の状態では、Aの成分が溶けた水とBの成分が溶けた油が分離しています。
水の部分はAの味がして、油の部分はBの味がする状況です。
このまま食べると、AとBの口に含む量が毎回まちまちになります。
しかし『乳化』した状態であれば、水と油が均一に混ざり合っているので、AとBの両方の味をバランスよく口に含むことができます。
次に、「粘度が増す」についてみていきます。
『乳化』するものは水分と油分なので液体です。食品でいうと、ドレッシング、ソース、スープ、グレイビー、タレなどになります。
例えば、パスタの場合、ソースを『乳化』させることが必須ですが。この理由は、ソースに粘度を持たせることで、麺に絡みやすくするためです。ちなみに、ゆで汁に溶けたデンプンが乳化剤になっています。
『乳化』させる理由はわかってもらえたでしょうか?
必ずしも『乳化』必要!というわけではありません。美味しく作るために、食品によって使い分けることが大事ということです。
③乳化状態をキープする方法
これまで読んで頂くとわかると思いますが、『乳化』をキープするには、「乳化剤」が必要です。天然の物では、卵黄(レシチン)、小麦粉(デンプン)が使いやすいと思います。
また、水と油を混ぜる過程で、一度にたくさんの量を合わせて混ぜるより、少量ずつ混ぜた方が『乳化』しやすいので覚えておいてください。
逆に『非乳化』の状態でよいなら、「乳化剤」を使わないこと、一度にたくさんの量同士を混ぜ合わせることを試してみてください。
前述しましたが、より詳しい内容は、
〈関連記事〉
「スパイスカレーの『乳化・非乳化』について(〈SPICE CURRY LABO〉)
こちらをご覧ください。
最後まで見ていただきありがとうございました。
今後もスパイス料理にまつわる記事を投稿していきます。
よろしければお気に入りの登録してもらえると嬉しいです!
スパイスのともさんでした。