【NHL】ピッツバーグペンギンズの3連覇を打ち砕いたのは、「たらい回し」にされたオーストラリア人選手
NHLのプレーオフは、カンファレンス セミファイナル(CSF=2ndラウンド)が大詰めに差し掛かっています。
ウエスタンでは、ベガス ゴールデンナイツ。
一方のイースタンからは、タンパベイ ライトニングに続いて、昨夜(現地時間)の試合でワシントンキャピタルズが、ピッツバーグペンギンズを下して、20季ぶりに(ロックアウトによるシーズンキャンセルの年も含む)カンファレンス ファイナルへ勝ち上がりました。
▼対戦成績1勝9敗!
ワシントンにとって、プレーオフのピッツバーグ戦は、まさしく最大の難関!
というのも、昨季までに、プレーオフで10回(=プレーオフシリーズの対戦数)も顔を合わせ、最も多く戦ってきた最大のライバルチームながら、過去の戦績は「1勝9敗」と、手痛い目に遭わされ続けているからです。
▼看板選手欠場!
今季も二日前の第5戦に勝利して、対戦成績は3勝2敗。
シリーズ勝利まで「あと1勝」に迫ったものの、プレーメイクに長けたニクラス・バックストローム(30歳)が右手の負傷のため欠場。
看板CFを欠く中で、敵地に乗り込むことになりました。
▼代役はNHL史上初のオーストラリア人選手
バックストロームの代わりに出場機会を得たのは、ネイサン・ウォーカー(FW・24歳/タイトル写真)
カンガルーとのツーショットをご覧いただいて思い出された方も、いらっしゃると思いますが、ウォーカーは「NHL史上初めてのオーストラリア人プレーヤー」!
今季の開幕戦で、家族が見守る中、NHLデビューを飾り、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相からも、祝福の電話をもらうなどして、話題となった選手です。
▼デビューのあとは「たらい回し」・・・
1917年のNHL創設以来、30か国目となるオーストラリア出身の選手として話題を独占したものの、シーズンが進むにつれて、ウォーカーの出場機会は減少。
12月1日には傘下のマイナーチーム(AHL・ハーシーベアーズ)へ降格させるために、ワシントンがウェイバー公示(一定の試合数をプレーするなどして、キャリアを重ねた選手に出場機会を与えるための制度)をしたところ、エドモントン オイラーズが「獲得」に手を上げ、移籍することに。
南半球出身の選手という話題性もあって、カナダのメディアも注目しましたが、エドモントンでも、2試合しか出場機会を与えてもらえず、再びウェイバー公示に。すると今度はワシントンが獲得に動き、20日後に古巣へ復帰しました。
ところが、ワシントンのバリー・トロツ ヘッドコーチは、サラリーキャップ(チーム総年俸上限制度)との兼ね合いもあって、12月末に、またもAHLへ降格させましたが、今度は手を上げるチームは現れず、ようやく「たらい回し」のような日々が終了。
こうしてウォーカーは、シーズン終了までAHLでプレーを続けました。
▼突然やって来たチャンス
ウォーカーが所属したハーシーは、AHLのプレーオフに勝ち進めなかったため、シーズン終了後に再昇格が可能となり、再びワシントンに合流。
すると、前述したバックストロームの負傷欠場によって、同じレフトハンド(=野球やゴルフの右打ちor左打ちと同様)のFWのウォーカーが、昨夜のピッツバーグ戦のメンバーに抜擢。
白羽の矢を立てられたウォーカー(白#79)は、先制点を呼び込むアシストパスを披露。
このあと、ピッツバーグに追いつかれ、試合はオーバータイムへ及んだものの、エフゲニ・クズネツォフ(FW・25歳)の決勝ゴールが飛び出して、ワシントンがカンファレンス ファイナルへ勝ち進みました。
▼突然やってきたチャンスには強いけれど・・・
昨夜の試合では、ワシントンの選手の中で、最も少ないプレータイムながら、アシストを記録したウォーカーですが、前述のバックストロームも、長期離脱には至らない様子だと報じられていることから、さらなるアピールをしたいところ。
今季の開幕戦のように、突然やってきたチャンスには強い反面、コンスタントな活躍ができるかどうかが、ウォーカーの課題となるだけに、タンパベイ ライトニングと顔を合わせるカンファレンス ファイナルでも、”Aussie Power” を見せてくれるか、注目されます。