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今永昇太はポスティングのタイミングを意図的に山本由伸とずらした!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
今永昇太 Mar 21, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、今永昇太(横浜DeNAベイスターズ)は、ポスティング・システムを利用したメジャーリーグ移籍をめざしている。MLB.comのマーク・フェインサンドによると、来週の月曜日までに申請する見込みだという。そこから、45日間の交渉期間がスタートする。交渉は、どの球団とも行うことができる。

 一方、山本由伸(オリックス・バファローズ)は、すでに申請を終えている。こちらの交渉期間は、11月21日から1月4日までだ。

 今永のエージェンシーであるオクタゴンは、申請のタイミングを、意図的に山本より遅らせたのかもしれない。

 今永と山本を比べると、山本を欲しがっている球団のほうが多いと思われる。これまでの実績もさることながら、それ以上に大きいのは、年齢の違いだろう。来シーズンの年齢(6月30日時点)は、今永が30歳、山本は25歳だ。仮に、34歳までローテーションの一角を担えるとすると、今永はここから5シーズン、山本は10シーズンとなる。

 交渉期間がずれているので、山本の契約が期限いっぱいの1月4日にまとまった場合も、山本を逃した球団が今永に方向を転じる時間は残される。

 申請の締め切りは、日本時間の12月15日なので、交渉期間をもっと後ろにすることもできる。けれども、あまりに遅いと、FA市場に出ている先発投手たちの契約が先に決まり、今永を欲しがる球団が減ることになりかねない。

 例えば、昨オフのFA市場に出て、総額5000万ドル以上の契約を得た先発投手は7人いた。彼らは、いずれも12月に契約を交わしている。千賀滉大も、その一人だ。福岡ソフトバンク・ホークスからFAになった千賀は、5年7500万ドルの契約でニューヨーク・メッツに迎えられた。

 今オフは、ここまでのところ、アーロン・ノラが7年1億7200万ドルの契約でフィラデルフィア・フィリーズへ戻った以外に、先発投手の大きな動きはない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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