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博多の人々に次代の提案を届け新たな扉を開く〈非豚骨へのムーブメントを起こし加速させた代表的なお店〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡市中央区渡辺通の細い路地裏を抜けると隠れ家的な場所にモダンな建物が現れる。昔ながらの一般的なラーメン屋さんとは一線を画す、カウンター7席のみのこぢんまりとした店内ながら、いつもきれいに保たれたおしゃれな空間が存在する。

今までにない感覚とココでしか出会うことのできない美味しい「らぁ麺」。幻の高級魚と言われる「のどぐろ」をはじめ、選りすぐりの厳選素材で丁寧に創り上げられたスープ。そのスープに合わせた特注麺や高級食材を使用した具材など、それらすべてにこだわり抜いて完成させた一杯の「らぁ麺」が味わえる人気のお店、それが〈らぁ麺なお人〉だ。2020年1月の創業で今年5年目のシーズンを迎えている、福岡では豚骨ラーメン以外のジャンルのことを「非豚骨」という独特な表現で形容されることが多くあるが、その代表的な「非豚骨」の「らぁ麺店」の一つになる。

福岡と言えば「豚骨王国」と喩えられるくらい豚骨ラーメンの店舗数はもちろんのこと、老舗の有名店や人気店が多く存在する土地柄。実際、それまでも「非豚骨」とは形容されていなかった時代から、豚骨以外の「有名なラーメン店」も多く存在していたが、その牙城を崩すほどのムーブメントは起こりづらいほど福岡では圧倒的な豚骨ラーメンの人気を誇っていた状況だった。そんな中〈らぁ麺なお人〉のご主人は、東京の有名なラーメン店を食べ歩きながら、十数年に及ぶ修業も経験し、東京の美味しい「らぁ麺」の味を、福岡・博多の人々にも知ってほしいという想いから福岡市内にお店を開業した人物だ。

福岡市内やその近郊には、ここ数年で、鶏や煮干し系のラーメン専門店が多くなってきた。そんな中でも5年前の〈らぁ麺なお人〉の開業とともに登場した「鶏と鴨の醤油らぁ麺」「高級のどぐろらぁ麺」は、当時としても、かなり衝撃的な出来事で、開業前のソフトオープンの時からすでに話題を呼び、正式な開業の時には、かなりの注目を集め、昼夜を問わず行列ができることも常態化していた。そんな事柄が印象的な〈らぁ麺なお人〉が、福岡での非豚骨へのムーブメントを起こし加速させる一翼を担った存在のお店であることはタイミング的にも間違いのない事実。今までに感じることのできなかった感覚と圧倒的な香りと味わいに魅了され、鶏醤油、鶏白湯、のどぐろ煮干しという人気の「らぁ麺」を、時に連食してみたり、時に連日訪れてみたりと、かなりハマった自身のことも含め、あの頃のことを今も変わらず鮮明に覚えている。

押しも押されもせぬ人気と実力のお店

そんなこだわりのお店は、創業から現在まで、お昼のピークの時間帯には行列の絶えることのない不動の人気を誇っている。そしてこの日は、お昼の閉店の時間まで1時間を残す14時半頃に到着。もちろん混雑を回避するためにその時間帯を選んでの訪問になる。店頭に行列がないことを確認し、店内に入ると魚介系の乾物由来と思われるスープのいい香りが漂ってくる。カウンター席には先客も多い中、空席もあり、ほっと一息つきながら、まずは入口そばの券売機前へ。

鶏醤油、鶏白湯、のどぐろ煮干しの「らぁ麺」

左上の「鶏と鴨の醤油らぁ麺」に「特製鶏と鴨の醤油らぁ麺」は、はかた地どりを使った鶏醤油のらぁ麺。「なお鶏白湯らぁ麺」に「特製なお鶏白湯らぁ麺」は、鶏白湯のらぁ麺。「高級のどぐろらぁ麺」に「特製高級のどぐろらぁ麺」は、煮干し系ののどぐろらぁ麺になる。「白トリュフ香る鶏白湯麺」に「特製白トリュフ香る鶏白湯麺」と、大きく分けると3つの方向性のラインナップになっていて「特製」は、それぞれ味玉とチャーシューが増量される逸品。今回その中からの選択したのは「特製高級のどぐろらぁ麺」。食券をスタッフの方に手渡しし、カウンターの中央あたりに着席した。その一杯を待つわずかな時間にも、キャリーケースを引いた海外からの旅行者らしき4人組の後客が閉店時間な時間帯にもかかわらず訪れる人気ぶり。

特製高級のどぐろらぁ麺について

待つことしばし。配膳されたのは、幻の高級魚と言われる「のどぐろ」を使った「高級のどぐろらぁ麺」。貴重で力強い「のどぐろの煮干」を贅沢に使い、じっくりと出汁をとる。その出汁のスープにキレと甘みが感じあれる旨みあふれる醤油のカエシを効かせた至福の一杯はエグミもまったく感じない。

麺もまた、当時としてはまだめずらしかった全粒粉の中細麺を使用。九州では滅多にお目にかかれないカネジン食品の特注麺というのも徹底したこだわり。また、立体的に盛りつけられたチャーシュー、メンマ、ネギも、美しく洗練された一杯に仕上げられている。香りや旨み、見た目までも、すべてにおいて魅了された贅沢な逸品だ。

全粒粉麺の替玉があるのも特徴の一つ

醤油系のラーメン店なのに、全粒粉麺の「替玉」が100円でいただけるというのが特徴的で、とても嬉しいサービス。

残り少なくなってきたスープに配膳された全粒粉麺を投入する至福。スープと替玉の美味しさが相まって、あっという間に完飲完食。お近くに寄られた際は、ぜひ一度お試しください。

最寄りの駅は、福岡市営地下鉄七隈線「天神南駅」から徒歩3分ほど。同「渡辺通駅」からだと徒歩4分。西鉄天神大牟田線「福岡天神駅」からだと徒歩10分ほどの立地。最近は非豚骨店の出店ラッシュもやや落ち着きはじめた印象。今後は淘汰される流れも起こるかもしれないが、この大きなムーブメントが起こった時期に、安定したファンを獲得した実力店も多く存在する。〈らぁ麺なお人〉も、その代表的なお店。

福岡市博多区住吉に2号店非豚骨なお人もあり〈らぁ麺なお人〉とはまた別系統の醤油らぁ麺を提供していて、キャナルシティ博多の目の前とアクセスもいい立地なのでコチラも機会があればぜひお立ち寄りください。

福岡・博多らしい素材にこだわった〈非豚骨なお人〉の「FUK中華そば」は、“はかた地どりと貝出汁”のWスープで仕上げられている
福岡・博多らしい素材にこだわった〈非豚骨なお人〉の「FUK中華そば」は、“はかた地どりと貝出汁”のWスープで仕上げられている

らぁ麺なお人

住所  :福岡県福岡市中央区渡辺通5-10-28[地図
営業時間:12時00分~15時30分
    :17時30分~21時30分
定休日 :水曜日
駐車場 :専用駐車場なし、近隣に有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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