創業56年の歴史ある老舗の名店で昭和の風格を感じながらいただく一杯〈福岡を代表する濃厚豚骨ラーメン〉
福岡県福岡市中央区白金。西鉄天神大牟田線の「薬院駅」からほど近い場所に1968年（昭和43年）創業で、今年56年目となる〈八ちゃんラーメン〉がある。住所は「白金」ながら、薬院駅に近いこともから（あくまでも一部での表現ではあるものの）「薬院八ちゃん」とか「薬八」とか親しみを込めてそのような愛称で呼ばれている。
以前は20時からの営業スタートで、開店と同時に行列ができることも少なくなかった。そのため深夜営業のイメージが根強く残る有名なお店ながら、現在はまだ外が明るい時間帯の18時から開店している。
日頃は深夜にもかかわらず、酔客が行列を成すことで有名な福岡を代表するお店で、飲んだ後の「シメ」に立ち寄るパンチの効いた濃厚な豚骨ラーメンを、昔も今も変わらず提供する地元の方々に愛され続けている名店。特に昭和生まれの世代には馴染み深い〈八ちゃんラーメン〉。コッテリとした濃密でベタ感の強い豚骨ラーメンを、50年以上の長きに渡り地元民の胃袋を掴みにし魅了してきた「超」の付く有名店。
今は18時の開店で素面からでも楽しめる
西鉄「薬院駅」を横目に見ながら博多駅方面へ数分進むと〈八ちゃんラーメン〉が見えてくる。ちょうど開店時刻の18時を回ったところ。この日は、そんな開店直後の時間帯にたまたまお店の前を通る幸運。行列はもちろんのこと先客も少ない状況。こんなチャンスはそう無いと踏んで、迷うことなく店内へと進むと、カウンターの奥の席に関西弁の元気な女性が3名ほどですでに盛り上がっていた。カウンター手前の給水機横の席に座り、まずは「とりあえずのビール」から注文しホッとひと息。
この時間だと、まだ飲まずにラーメンのみを食べて終わらせるのもありそうだけど、なんとなくそれでは申し訳ないという気持ちと、ココに来たらアルコールを飲まずにはいられないという福岡県人的な気質という名の自身の気質が現れてくる。
待つことしばし、瓶ビールを受け取り小さなグラスにナミナミと注ぎ、一杯、二杯とグラスを軽く煽る。その間にも観光系の方や地元の方であろう女性のお一人様、サラリーマン風の男性2人組など、後客の方々が続々と訪れ、満席になりそうな勢いだったので早めに切り上げようと「ラーメン」をカタで注文した。
待つこと少々で配膳された一杯は、開店直後ということもあり、いつもよりも泡立ちの少ない若い感じのシャバシャバしたスープの一杯。本来なら、もっと飲んで食べてした後のシメにピタリとハマる、飲み客との相性が抜群にいい豚骨ラーメン。
この日のように早い時間に訪れるとラーメンの表情も本来の感じとは一線を隠す一杯に。若々しい感じのスープにカエシの効き具合が印象的で、ひと口啜ったその瞬間に至福のひと時が訪れ、心の底から「旨い」と思える昔懐かしい博多のラーメンに仕上がっていた。
合わせる平打ちの細ストレート麺が変わらずの名物で、スープをグイグイと絡めとるベストマッチ。麺のコシと歯切れのいい食感が相変わらずのたまらない美味しさ。ベーシックな「八ちゃん」のラーメンは、チャーシューとネギのみという構成。デフォルトで胡椒が振られた一品は昔も今も変わらず圧倒的なスープと麺を、シンプルに味わえる組み合わせになっている。
最寄りの駅は、西鉄天神大牟田線、福岡市営地下鉄七隈線の両「薬院駅」。そこから歩いて３分ほどの立地にある〈八ちゃんラーメン〉。SNSなどの位置情報などでは「八ちゃんラーメン薬院店」と表記されていることもあるが、以前（10数年ほど前）は確かに、福岡市南区の「野間」に、もう1店舗「八ちゃんラーメン野間店」があったり、横浜のラーメン博物館に出店していた時期もあった。現在はこちらの1店舗のみ。よく「太宰府八ちゃんラーメン」と混同されて語られることもあるけれど、系列的なものや資本的な関係性は存在していない。
初めて「食べログラーメンWEST百名店」に選出された福岡の老舗店〈八ちゃんラーメン〉。ぜひ、ここだけの味をご堪能ください。
八ちゃんラーメン
住所 ：福岡県福岡市中央区白金1-1-27［地図］
営業時間：18時00分〜翌02時00分
定休日 ：日曜・祝日 ※要確認
駐車場 ：専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり
