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日本海側で大雪に警戒、東海も大雪に注意

饒村曜気象予報士
日本海の筋状の雲(12月14日21時)

日本海側を中心に大雪

 西高東低の冬型の気圧配置となり、全国的に寒い週明けとなり、金沢などの北陸地方や、広島などの中国地方で初雪を観測しました。

 今週は、西高東低の冬型の気圧配置がさらに強まり、等圧線の間隔が狭くなり、強い北寄りの風にのって今冬一番の寒気が南下してきます(図1)。

図1 予想天気図(12月15日9時の予想)
図1 予想天気図(12月15日9時の予想)

 日本列島に南下する寒気の目安として、上空約5500mと、上空約1500mの気温が使われます。

 上空約5500mの気温が氷点下30度以下なら強い寒気、氷点下36度以下なら非常に強い寒気で大雪の可能性もあります。

 12月14日の週明けから南下してくる寒気は、北海道北部では、氷点下36度どころか、氷点下42度以下という、真冬でもなかなか出現しない強烈な寒気です(図2)。

図2 上空約5500メートルの気温分布(12月16日朝)
図2 上空約5500メートルの気温分布(12月16日朝)

 気象庁では、5日先までに大雪警報を発表する可能性を「高」「中」の2段階で示した早期注意情報を発表しています(図3)。

図3 大雪に関する早期注意情報(上段は15日朝から夜遅く、下段は16日)
図3 大雪に関する早期注意情報(上段は15日朝から夜遅く、下段は16日)

 これによると、北日本の日本海側から山陰地方および東海地方の広い範囲で、大雪警報が発表となる可能性が「中」という情報です。

 コンピュータの計算では、今後72時間の予想降雪量は局地的ですが、2.5m以上となっています(1日平均で約1m)ので、地元気象台の発表する大雪警報などの気象情報入手に努め、警戒してください(図4)。

図4 72時間降雪量予報(14日21時~17日21時)
図4 72時間降雪量予報(14日21時~17日21時)

東海の大雪

 平地で雨として降るか、雪として降るかの判断の目安が、上空約1500mの気温が氷点下6度です。

 降水現象が、上空約1500メートルの気温が氷点下6度未満であれば雪、氷点下6度以上であれば雨として降ることが多いからです。

 この上空約1500メートルで、氷点下6度という寒気は、16日朝には、東日本から西日本の大部分をおおう予想です(図5)。

図5 上空約1500メートルの気温分布(12月16日朝)
図5 上空約1500メートルの気温分布(12月16日朝)

 北日本や北陸だけでなく、関東から九州まで広い範囲で、降水現象があれば雪として降る状況になります。

 特に、東海地方では雪に注意が必要です。

 今から6年前の平成26年(2014年)12月18日、全国の約8割の地点で最低気温が0度そ未満の冬日となる強い寒気が南下しています。

 北海道東部を中心に北日本から東・西日本日本海側の広い範囲で大雪や暴風雪となりました。

 また、名古屋では積雪が23cm(歴代6位)を観測し、交通機関が大混乱しています(図6)。

図6 名古屋が大雪のときの地上天気図(2014年12月18日9時)
図6 名古屋が大雪のときの地上天気図(2014年12月18日9時)

 このときの天気図に比べると、北海道の東海上の低気圧の位置が北にあります。

 このため、雪雲を動かす風向が6年前とは若干違います。

 6年前のように、若狭湾から関ケ原を越えて名古屋に大量の雪雲が流入するかどうか微妙ですが、油断はできません。

タイトル画像、図2、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図6の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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