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世界的に活躍する日本人シンガーソングライターがパリス・ヒルトンの新曲で共演

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
先月、Gucci Cruise2025ファッションショーに参加したサワヤマ。(写真:REX/アフロ)

パリス・ヒルトンの新曲『I'm Free(アイムフリー)』に、日本人シンガーソングライター、リナ・サワヤマがフィーチャリングされ、話題になっている。

「私は自由」という意味の『I'm Free』は6月21日にリリースされたもので、パリスの2枚目のスタジオアルバム『Infinite Icon』(9月6日発売)の収録曲だ。

Paris Hilton - "I'm Free" ft. Rina Sawayama (Official Visualizer)

今月発表した意味は?

アメリカのセレブで実業家のヒルトンと、イギリスを拠点に活動するサワヤマがコラボレートしたこの新曲で、2人は「I’m free/To do what I wanna do/It’s my life/I’ll do what I wanna do(私は自由よ/やりたいことは何でもする/それが私の人生/やりたいことは何でもやる)」と歌っている。

21日付の音楽誌ローリングストーンは、この新曲について「ウルトラ・ナテの1997年のヒット曲『Free(フリー)』にインスパイアされた作品」と報じた。ヒルトンが原曲とされる『フリー』を初めて聴いたのはニューヨークのクラブ、つまり親に入れられていたユタ州の寄宿学校生活から解放されて自由の身になって間もない頃だった。ヒルトンは学生時代、身体的そして精神的に虐待を受けていたと後に告白している。

「希望の曲の新バージョンを作ることができて光栄に思う」。ヒルトンはカルチャー系メディアのUPROXXで自身の新曲についてこう話した。またタイアップしたサワヤマについては「この曲に魅惑的なボーカルと歌詞が加わったことに感謝しています。リナと私は共に、世界中のファンが自由を表現できるよう刺激を与えていきたい」と語った。またLGBTQ関連メディア、PRIDEに「あなたを支持するゲイの人々に向けてメッセージを」と求められ「あなたたちが大好きです。今度のニューアルバムはあなたたちに捧げるものです」と語った。

今月13日、毎年恒例のプライドイベントで歌うヒルトン。2児の母になった今も、精力的にアーティスト活動を続ける。
今月13日、毎年恒例のプライドイベントで歌うヒルトン。2児の母になった今も、精力的にアーティスト活動を続ける。写真:REX/アフロ

リナ・サワヤマ(Rina Sawayama)とは?

サワヤマが2020年にリリースしたデビューアルバム『Sawayama』はニューヨークタイムズやローリングストーンなどのメディアが選出する「アルバム・オブ・ザ・イヤーズ」(年間のベストアルバム)のリストにその名を連ねた。以来アーティスト性が評価され、世界中でその存在感を高めている。

所属するレコード会社、ユニバーサル ミュージックジャパンの資料によると、サワヤマはロンドンを拠点に活動する新潟県出身の日本人シンガーソングライターとある。5歳の時に父親の仕事の関係で渡英し、その後も母親と現地に残ってロンドンの日本人学校に通ったそうだ。

【TRP2023】リナ・サワヤマさんからのメッセージ/from Rina Sawayama

昨年、自身の『This Hell』という曲が「東京レインボープライド2023」のテーマ曲に決定したというアナウンス。渡英したのは5歳の時だが、流暢に日本語を話している。

また彼女は音楽的に影響を受けたアーティストとして、宇多田ヒカル、椎名林檎、マライア・キャリー、ジャスティン・ティンバーレイクなどの名を挙げている。昨年1月に東京で行なった単独来日公演で宇多田ヒカルの名曲『First Love』を披露し、こちらも話題になった。

(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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