今日は二条城の築城開始日
今日は徳川家康が二条城築城を命じた日。慶長7(1602)年のこと。約10カ月のスピードで造営されたというからすごい。公式ガイドを依頼され、ここ2年ほどガイドスタッフさんと取り組んできたけど、現在コロナの影響で5月末まで休城。せっかくなので、通常非公開の二の丸御殿の中庭の写真を貼っておきます。
二条城のポイントはたくさんある、案内していて一番驚かれるのは、次のくだり。「3代将軍家光が最後に上洛した時に率いてきた家臣の数が30万7千人だったこと。その後、14代将軍家茂が上洛するまで230年間使われていなかったこと。」
上記の話はかなりキャッチ―な部分があるけど、もうすこし二条城の世界遺産となりえた部分を話すと、やっぱり「二の丸御殿の希少価値」。そもそも城郭建築において、保存対象として優先されるのは天守。御殿はあくまで住まいであり、いらなくなったら解体。さらに再建されることもなかった。築城当時から残っている御殿建築は日本広しといえど、二条城だけだということ。ましてはそれが将軍の御殿だから、その価値は計り知れない。
二の丸庭園もすごい歴史を持っている。まずは家康の時代に造営され、さらに後水尾天皇の行幸で小堀遠州が再度造り直し(「八陣の庭」と呼ばれた)、荒れ放題だった幕末(池泉式の庭が枯山水になっていた・・・・)にテコ入れし、極めつけは二条離宮になった時代に大幅改修が行われた。歴史的にいろんな時代に手が入り、現在に至っていて、それでも最高ランクの評価である「特別名勝庭園」となっている。最後に手が入ったのが離宮時代なので、当時宮内庁の管轄だった名残で松の刈り込みとかソテツの越冬方法(下写真)とか、今も手入れはその技法を引き継いでいる。
これからの楽しみは、本丸御殿の修復後の一般公開(1階部分)。2021年度に保存修理工事が完了予定。建物は桂宮家から明治27年に移築されてきたもので、公家屋敷の中でもトップレベルの宮家の建築が、ほぼ丸々見られるのも全国でここだけ。
6月からの開城のお知らせと公式ガイドの再開を心待ちにしています!