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主な新興国/米国経済ニュース(1月29日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ロシア自動車大手アフトバス、労組に早期退職制度の導入を提案

ロシア自動車大手アフトバスは27日、同社労組に対し、早期退職制度の導入を提案した。ノーボスチ通信(電子版)が伝えた。

同制度は、2月までに早期退職した場合、5カ月分の給与に相当する退職一時金を支払うというもの。同様に3月に退職した場合は4カ月分相当、また、4月退職では3カ月分相当の退職一時金を支払うとしている。同社はこれによって人件費を削減し、利益の拡大を目指したいとしている。これより先、同社の新社長に就任したボー・アンダーソン社長は先週、従業員全体の11%に相当する7500人を削減する計画を明らかにしている。

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トヨタとダイハツ、スズキ、インドネシアから周辺国に輸出開始へ

トヨタ自動車とダイハツ工業、スズキの3社は今年2月初めから、インドネシアの自社工場で生産している低価格エコカー(グリーンカー)をアジア周辺国に向けて輸出を開始する。地元経済紙ビジネス・インドネシア(電子版)が28日に伝えた。

輸出するのは、トヨタの「アギア」とダイハツの「アイラ」、スズキの「カリマン・ワゴンR」となっている。ダイハツとインドネシアのアストラ・インターナショナルの合弁会社アストラ・ダイハツ・モーターは2月3日に、首都ジャカルタ東部のカラワンにある自社工場(「アグヤ」と「アイラ」を生産中)で輸出記念式典を開く予定。アギアとアイラはフィリッピンに輸出される。このほか、本田技研工業も「ブリオ・サティヤ」を、インドネシア日産自動車(NMI)傘下のダットサン・インドネシアも「ダットサン」を同様に今年から輸出する計画だ。

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インドネシア商工会議所、今年の成長率見通しを5.2-5.8%増へ下方修正

インドネシア商工会議所(KADIN)は、今年の国内経済成長率見通しを5.2-5.8%増へ下方修正した。これは政府見通しの5.8%増を下回る。ジャカルタ・グローブ(電子版)が28日に伝えた。

自国通貨ルピアの対ドルでの下落やコモディティ(国際相場商品)の低下、さらには政府が今年から国内に精錬所を持たない鉱山会社による鉱物資源の輸出が禁止されたことで、鉱業セクターへの投資が困難な情勢にあることなどから経済成長は抑制されるとしている。

KADINのスリヨ・バンバン・スリスト会頭によると、今年は農業と鉱業は緩やかに成長するものの、製造業はルピア安と賃金上昇による生産コストの上昇で前年水準を下回るとし、サービス業だけが成長をけん引すると予想している。

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ベトナム投資開発銀行、31日にホーチミン証取で初上場へ

ベトナム投資開発銀行(BIDV)は31日にホーチミン証券取引所で株式を初上場する。オンライン・ニュースメディア「ベトナム・インベストメント・レビュー」(電子版)が27日に地元紙トイチェーの報道を引用して伝えた。

BIDVは28億株を上場する予定で、上場時の始値を1万8700ドン(約94円)に設定していることから、上場後の同行の時価発行総額は25億ドル(約2600億円)となり、同国最大規模となる。ベトナムでは株式を売り出しや新規発行によって公開する新規株式公開(IPO)と実際に株式を上場することは区別しており、BIDVの場合、すでにIPOを2011年12月に実施、その際、発行済み株式の3%相当の8475万株を売り出して7500万ドル(約80億円)の資金を調達している。

上場される28億株のうち、4.24%は株主に割り当てられるが、残りの約96%は政府によって保有される。BIDVのチャン・フオン副頭取は、今回の株式上場によって、今後、同行は戦略的パートナーを模索することが可能になるとしている。

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米フォード、2013年10-12月期は純利益90%増―1株利益予想上回る

米自動車大手フォード・モーター<F>が28日に発表した2013年10-12月期決算(第4四半期)は、純利益が前年比90%増の30億4000万ドル(約3100億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同85%増の74セントとなり、アナリスト予想の27セントを上回った。純利益が大幅増となったのは21億ドル(約2200億円)の繰り延べ税金資産(将来の税還付額)を計上したため。こうした一時的項目を除いた調整後の1株当たり利益は31セントとなり、アナリスト予想の28セントを上回った。

一方、売上高は同3.5%増の376億ドル(約3兆9000億円)となり、アナリスト予想の351億7000万ドル(約3兆6000億円)を上回った。また、2014年の通期業績見通しについては、税引き前利益は前年の86億ドル(約8900億円)から70億-80億ドル(約7200億-8200億円)に減少するとしたが、この見通しは昨年12月の前回予想時と変わっていない。

同社は2013年度通期の純利益が前年比26%増の71億6000万ドル(約7400億円)となったのを受けて、時給労働者4万7000人に対し、1人当たり平均8800ドル(約90万円)のボーナスを支給する。同社の株価は米東部時間28日午前10時28分時点で0.32%高の15.76ドルとなっている。

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ウクライナ首相、辞意を表明し内閣総辞職へ―政治・社会混乱収拾で

ウクライナのミコラ・アザロフ首相は28日、EU(欧州連合)加盟を支持してヤヌコビッチ大統領の辞任と総選挙の早期実施を求める反政府市民デモの激化による政治・社会混乱の早期収拾を図るため、辞任する意向を表明した。ノーボスチ通信(電子版)が伝えた。

アザロフ首相は声明文を出し、「(政府と反体制派との間で)政治的、また、社会的な妥協が図り、平和裏に問題の解決が図られる機会を作るため、大統領が私の辞任届を受理するよう決断した」と述べている。同首相の辞任によって、内閣は総辞職することになる。しかし、今回の同首相の辞任発表によって、反政府運動が鎮静化に向かうかどうかは不透明の状況となっている。

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米ヤフー、2013年10-12月期売上高6%減―株価急落

米インターネット大手ヤフー<YHOO>が28日に発表した2013年10-12月期(第4四半期)決算は、純利益が前年比28%増の3億5167万ドル(約360億円)、1株当たり利益(希薄化後)も同40%増の33セントとなった。また一時的項目を除いた調整後の1株当たり利益は同31%増の46セントとなり、アナリスト予想の39セントを上回った。

ただ、売上高は前年比6%減の12億7000万ドル(約1310億円)、また、パートナーサイトに支払うトラフィック(通信量)獲得コスト(TAC)を除いた調整後ベースで、前年比2%減の12億ドル(約1240億円)と、減収となった。アナリスト予想とは一致した。

部門別では、特に、全体の売上高の約40%を占めるディスプレイ広告収入(TAC除く)が同6%減の4億9100万ドル(約500億円)と、大幅に減少し、アナリスト予想の5億5543万ドル(約570億円)を下回った。検索エンジン広告収入(TAC除く)は同8%増の4億6100万ドル(約470億円)となった。この結果を受けて、同社の株価は28日の引け後の時間外取引で急落し、米東部時間28日午後7時44分時点で、3.24%安の36.98ドルとなっている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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