久保建英のリーガでスタメンになれない現状。キーワードは「立ち位置」と「バルサのカンテラ」
リーガエスパニョーラとヨーロッパリーグ、その戦い方は似て非なる。
今季、ビジャレアルのウナイ・エメリ監督はリーガとELでローテーションを採用している。端的に言えば、リーガでレギュラーの選手を起用して、ELで出場機会の少ない選手にチャンスを与えるというプランだ。
リーガ第11節のレアル・ソシエダ対ビジャレアルの一戦で、久保建英はスタメンから外れた。またも、と述べた方が的確かも知れない。今季好調のソシエダとの対戦はウナイ・エメリ監督にとって絶対に落とせないものだった。
今回は、久保がリーガでスタメンになれない理由を分析する。勿体ぶる必要はない。キーワードは「立ち位置」と「バルサのカンテラ」だ。
■悪癖
まずはELについてだ。ELのグループステージ第4節テル・アビブ戦で久保は先発起用された。
久保は【4-3-3】の左WGに入った。だがテル・アビブ戦では、久保の「悪癖」が顔を覗かせていた。
これはマジョルカ時代から度々起きていた現象だ。久保はサイドアタッカーとして起用された際、ボールが欲しくて中央に寄ってしまう癖がある。それでゴールという結果が出せれば文句はない。昨季、彼のリーガ初得点はこの形から生まれている。奇しくも、その相手はビジャレアルだった。
ただ、この久保のプレーは現在のビジャレアルでプラスに働いていない。エメリ監督の評価に、つながっていない。悪癖が悪循環を生んでしまっている。
例えば、右サイドでサム・チュクウェゼがボールを持っている。その場面で、久保はボールをもらうために中央に寄ってきてしまう。本来であれば、トップ下が位置するポジションだ。
だがそれはエメリ監督が求めるものではない。
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