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リーグ新124安打の塚田正義が“糸”の差で首位打者に浮上!

田尻耕太郎スポーツライター
第1打席でセンター前ヒットを放ち、新記録を決めた

カニザレスが14号サヨナラ弾

9月23日のウエスタン・リーグ。ホークスはタマスタ筑後でタイガースと対戦した。この3連戦が今季最終カードとなる。残りは2試合。

【9月23日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1974人】

阪神     000000141  6

ソフトバンク 201000211× 7

<バッテリー>

【T】秋山、榎田、●桑原(1勝3敗2セーブ)――岡崎、小豆畑

【H】高橋、加治屋、柳瀬、バリオス、嘉弥真、○松本(5勝1敗)――栗原、拓也

<本塁打>

【H】黒瀬3号、カニザレス14号 【T】今成4号

先発で好投した高橋
先発で好投した高橋

<戦評>

ソフトバンクがサヨナラ勝ち。ウエスタン5連覇を決めてから初めての本拠地試合で地元ファンを喜ばせた。

試合は終盤にもつれた。8回表に阪神が一挙4点を奪い同点としたが、その裏にソフトバンクは代打・黒瀬のソロでいったんは勝ち越しに成功した。だが、9回2アウトから阪神緒方が二塁打を放って6対6。9回裏、先頭の4番・カニザレスが左中間へ特大ソロを放った。14本塁打はウエスタントップタイ。2年連続のファーム本塁打王に大きく近づいた。また、真砂が2本の決定打を放ち4打点と勝負強さを見せた。

ソフトバンク先発の高橋は5回2安打無失点の好投。阪神の秋山は7回133球の熱投もリーグ単独1位の10勝目はならなかった。 (了)

塚田正義、新記録&首位打者もやはり…

121安打目を放って小川コーチと”グータッチ”
121安打目を放って小川コーチと”グータッチ”

1番でスタメン出場したホークスの塚田正義が、第1打席でセンター前ヒットを放ち、ウエスタン・リーグのシーズン最多安打を更新した。ウエスタン優勝を決めた16日に120安打目を放ち、‘14年の牧原大成(ホークス)の記録に並んでいた。

さらに第2打席での四球を挟み、その後もヒットを量産。4打数4安打1四球の固め打ちだ。しかし、試合後は前回同様に、やはり浮かない顔だった。

「うーん、ファームなので嬉しくはないですよ。やっぱり上でやりたい気持ちが強いですから。周りと比べると桁違いの打席数ですしね。まあ、複雑です」

打率4位から一気に首位打者

ところで、もう一つの情報があった。それを伝えるとかなり驚いた表情に変わった。

試合前までウエスタン打率4位だったが、一気に首位打者へと浮上したのだ。しかも本当にわずかの差だ。

1位 塚田 .30467

2位 猪本 .30462

厘の下の、さらに毛の下の「糸」(し)の差。

ほんの「5糸差」で首位打者に浮上したのだ。

「本当ですか!? 獲れたら嬉しいですけど、まあ頑張ります」

長いファーム生活。それでも腐らず、必死な姿を

これほどの成績を残しても1軍でプレーできないもどかしさは、当然あるだろう。それでも決して腐るような姿を見せたことはない。

「ホークスは3軍があって、若い選手が2軍に上がろうと必死にやっている。投手も若い人だけではなくベテランの人だってファームの試合で投げています。そんな姿を見ると、自分が腐ってはいけないと思うんです。金子圭さんや柳瀬さんがそう。もっとやらないと、と思わせてくれる存在です」

2軍公式戦は25日で終了するが、1軍ペナントレースはまだ佳境。さらにポストシーズンもある。チャンスは必ずどこかで訪れる。信じて、ひたむきに、進むだけだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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