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【バーと癒し】東京ステーションホテルが提案する、3つの酒スタイル

東龍グルメジャーナリスト
カメリア「プレジャー オブ マルノウチ」

お酒に力を入れる東京ステーションホテル

東京ステーションホテル
東京ステーションホテル

東京駅の駅舎は今年100周年を迎えます。この歴史ある東京駅と一体化するようにして、東京ステーションホテルが2012年10月3日にリニューアルオープンしました。

この東京ステーションホテルには、レストラン「ブラン ルージュ」、ラウンジ「ロビーラウンジ」、バー&カフェ「カメリア」、バー「オーク」と、直営の料飲施設が4つありますが、そのうちの2つはバーとなっています。また3つの施設では、それぞれの雰囲気でお酒を楽しむことができます。

東京ステーションホテルは、どうしてお酒に力を入れているのでしょうか。

2つのバーが誕生

カメリア
カメリア

広報マネージャーの濱純子氏は「カメリアは戦争で空襲された後、1951年にオープンした。当時、東京駅周辺ではお酒を楽しめる場所が少なかった」と歴史を振り返ります。「仕事帰りにお酒を飲んでリラックスしたいという需要は多く、とても人気があった」とし、「カメリアが満席でご利用できないお客さまがいらっしゃるのは申し訳ないので、1991年にもう一つのバーをオープンした」と、オークについて説明します。

東京駅をモチーフにしたカクテル

こういった歴史あるバーに相応しく、東京ステーションホテルには杉本壽氏という名バーテンダーがいます。杉本氏は1958年に東京ステーションホテルへ入社したという生き字引のようなバーテンダーで、東京駅開業75周年を記念して「東京駅」という、日本を代表するカクテルを考案した人物です。

この「東京駅」は、イギリスのタンカレー、フランスのスーズ、アメリカのライムジュース、日本のザクロジュースを合わせたカクテルで、杉本氏の「国際色に溢れる、まさに東京らしいカクテル」という想いが込められています。

お酒を嗜む3つのスタイル

東京ステーションホテルは改装のため、2006年に一旦休業して、2012年にオープンしました。その時に2つもバーをオープンした理由を訊かれると濱氏は「カメリアもオークも熱心なお客さまがたくさんいらっしゃいる。ご期待に応えるため、バーを2つオープンした」と説明し、「オークはオーセンティックなバーにし、カメリアは若い方にも利用し易いようにモダンにした」と差別化したと話します。

杉本氏の下で薫陶を受けたアシスタントマネージャーの大野琢治氏は「オークはもともとお酒が好きだという方が来てくださるバー。カメリアは来ていただいてお酒のよさをを知っていただくバー」と、オークはお酒の上級者、カメリアはお酒の初心者も楽しめるバーであると分かり易く説明します。

濱氏は「優雅な雰囲気を好むお客さまには、広くてハープの生演奏も行っている1階のロビーラウンジで、ゆっくりと寛ぎながらお酒を嗜んでいただきたい」と、バー以外でのお酒の楽しみ方を紹介します。

プレジャー オブ マルノウチ

カメリアはオープン当初から好きな料理1品と好きなドリンク3杯がセットになったリーズナブルなプラン「プレジャー オブ マルノウチ」を3800円(サービス料別)で提供していました。ホテルのバーであれば普通、この値段ではドリンクを2杯飲むくらいしかできないので、非常に良心的であると言えるでしょう。

濱氏は「今夏からは、お好きなお料理1品とお好きなドリンク2杯にし、3300円と比較的お得にしたことで、さらにご利用し易くなっている」と言います。理由を訊かれると「3杯も飲めないという女性のお客さまは少なくない。しかし、お酒を含めたドリンクは豊富なので、1杯だけでは飲み比べをする楽しみがなくなってしまう」として、2杯が適量である判断したと答えます。

プレジャー オブ マルノウチのドリンクや料理をいくつかご紹介しましょう。

スパークリングワイン

スパークリングワイン
スパークリングワイン

モエ・エ・シャンドン社がオーストラリアで製造しているスパークリングワイン「シャンドン」です。シャンパーニュ製法と同じ製法で作られていて、評価はとても高いです。

東京駅

東京駅
東京駅

杉本氏の傑作です。東京駅開業75周年を迎えた年に赤煉瓦の色をモチーフに創り出しました。イギリスのタンカレー、フランスのスーズ、アメリカのライムジュース、日本のザクロジュースを合わせたカクテルです。

フランス産エスカルゴの皿焼 ブルギニヨン

フランス産エスカルゴの皿焼 ブルギニヨン
フランス産エスカルゴの皿焼 ブルギニヨン

エスカルゴを香草バターで炒めたオーソドックスなブルゴーニュ風。バターとニンニクの香りが非常によいです。普通のバーではこういった本格的な料理を提供することは中々できません。

ビーフカツレツサンド

ビーフカツレツサンド
ビーフカツレツサンド

人気のビーフカツレツサンドです。ビーフカツがとても大きくて、アラカルトのポーションと遜色ありません。付け合わせにはコニシニョンとプレーンとスパイシーな2種のフレンチフライ。

ビーフシチュー

ビーフシチュー
ビーフシチュー

リニューアルオープン前にあったフレンチレストラン「ばら」で愛された一品です。赤ワインをしっかりと効かせながらも、軽めの仕上がりで、時代に合わせています。

プラムベリーパンチ

プラムベリーパンチ
プラムベリーパンチ

プレジャー オブ マルノウチの対象ではありませんが、期間限定で女性向けのフレッシュフルーツカクテルも提供されています。

ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーと3種のベリーをプラムリキュールと合わせた女性にも飲み易いロングカクテルです。

東京と共に歩んできた東京ステーションホテル

日本の中心は言わずと知れた東京です。その東京(=東京駅)と共に歩んできた東京ステーションホテルは、まさに日本と共に成長してきたと言っても過言ではありません。

濱氏が「日本を支える大企業が集まる丸の内で、仕事帰りの方々の疲れを癒す場をご提供したい」と熱く述べるように、東京駅が今年100周年を迎えるにあたり、日本がさらに飛躍していくためにも、東京ステーションホテルの役割はますます重要となっていくのではないでしょうか。

情報

詳しくは公式サイトをご確認ください。

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グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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