ここ数年でタブー視されることが減ってきた「生理」の話題。
2023年6月16日には、文部科学省から各教育委員会らに対して、生理に伴う欠席が高校入試で不利に取り扱われることのないよう、通知が発出された。
こうした通知が発出された背景には、小中高生らから、学校での「生理休暇」を求める声が上がっていることがある。
労働者に対しては、労働基準法第68条「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した時は、その者を生理日に就業させてはならない」によって認められている生理休暇だが、小学校や中学校、高校にはそのような制度は存在しない。
日本若者協議会では、#みんなの生理と合同で実施した、当事者300名へのアンケート結果をもとに、文部科学省や東京都らに学校での生理休暇導入を求める要望書を提出。
学校にも「生理休暇」の導入を!学生らが声を上げるワケ。生理痛で倒れる、嘔吐する現状(室橋祐貴)
そうした声を受けて、東京都では内申書(調査書)から欠席欄を削除するなど、入試に直接影響を与えないよう改善が進んでいた。
そして、国会では、2023年5月23日の参院厚生労働委員会で、公明党の山本香苗参議院議員がこの学校での「生理休暇」を取り上げたことで大きな前進を見せた。
国会質疑の重要性を改めて感じたやり取りだったため、やや長いが、引用したい。
ここで質疑が止まっていたら、将来的な検討にとどまり、すぐに動くことはなかったかもしれない。
ここからさらに、自治体の取り組み事例を挙げながら、すぐに取り組んでほしいと求める。
こうして、国会で言質を取り、施策を進める。まさに理想的な国会質疑であったように思う。
こうしたやり取りにより、2023年6月13日に閣議決定された女性版骨太の方針2023(女性活躍・男女共同参画の重点方針)に、生理痛による欠席が入試で不利にならないよう周知することが書き込まれた。
そして、6月16日に、各教育委員会らに通知が発出された。
こうした政策の具体的なやり取りが、テレビや新聞で詳細に取り上げられる機会は少ないが、実際はこのように一歩ずつ取り組みが進んでいる。
国会や政治家への国民のイメージは決して良くないが、こうしたやり取りに触れる機会が増えれば、きっとイメージも変わるだろうなと感じた国会質疑であった。