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学校にも「生理休暇」の導入を!学生らが声を上げるワケ。生理痛で倒れる、嘔吐する現状

室橋祐貴日本若者協議会代表理事
日本若者協議会

労働基準法第68条「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した時は、その者を生理日に就業させてはならない」によって認められている生理休暇。

一方、小学校や中学校、高校にはそのような制度は存在しない。

こうした現状に対し、学校にも「生理休暇」を求める声が上がっている。

12月24日には、学校での「生理休暇」導入を求める要望書を文部科学省に提出。

学校での「生理休暇」導入を求める要望書(日本若者協議会、#みんなの生理)

詳細は末尾に載せているが、学校での「生理休暇」の導入や学校での生理のガイドラインの作成・見直し、充実した生理教育(包括的性教育)を生徒・教員全員に行うことを求めている。

なぜ生理休暇が学校にも必要なのか?

学生が求めている背景をアンケート結果から紹介したい。

学校での「生理休暇」についてのアンケート結果まとめ(日本若者協議会、#みんなの生理)

9割以上の学生が「生理によって学校を休みたいと思ったことがある」

まず、生理によって、学校・授業もしくは部活・体育など運動を含む活動を休みたいと思ったことがある人の割合は、92.7%。

その理由としては、「おなかや頭が痛い」、「経血の量が多い」、「ぼーっとする、集中できない」の順に挙げられた。

日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート
日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート

その他、自由記述として、下記のような理由が挙げられた。

・生理痛で椅子に座っていられない、スカートを履かなければならないので体が冷えて生理痛が悪化する

・朝から下着や布団を血まみれにしてしまうと学校に行く気がなくなる

・腰が痛い、だるい、何気ないことにイライラしてしまう

・ナプキンがずれたら気持ち悪くて体育が嫌だ

・精神不安で授業中に涙が止まらない

・気分が優れないから、プールは見学が面倒

・自由にトイレに行けないので漏れが心配だから

・自分の通常のパフォーマンスが発揮できないのが明らか

・精神的に辛く、授業に出れる状態ではない時があったから

・衛生面やタンポンをしたくないなどの理由でプールに入りたくない

・ピルはリスクが気になって服用できない。薬を飲むのも眠くなってしまってあまり気が進まない

・腰の痛みと、ひたすらに眠い、不可抗力で授業中に寝てしまっていた

・匂いが気になる

・経血がスカートに染みていないか気になる、量が多い日は経血が染みていることがある

・精神的にすごく落ち込んで辛くなり、人と関わるのがしんどくなる

・ナプキンを変える時間がなく、気持ち悪い

7割近くが休むのを我慢

一方、生理によって、学校や授業、部活・体育を休みたいと思った人のうち、68.3%は休むのを我慢していると回答。

休めなかった理由としては、「成績や内申点に悪影響が出ると思った」、「生理を理由に休んでいいと思わなかった」が多く挙げられた。

日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート
日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート

逆に、休めなかったことで困ったこととしては、「授業などに集中できなかった」、「体調が悪化した」が多く挙げられた。

日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート
日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート

「我慢して学校で倒れる」「帰り際に嘔吐した」

さらに、休めなかったことで、「学校で倒れた」、「授業中寝てしまった」などの体験談が多く集まった。

・保健室に生理痛がひどくて行って、痛み止め教室に忘れたので取りに行っていたが、その途中でもフラフラで教室についた途端、吐いて倒れていたところ、保健室の先生が来て担架で運ばれた。

生物の授業の途中にお腹が痛くなって気が遠くなりそうだったが、男の先生だったことと、恥ずかしくて、トイレに行きたい、保健室に行きたいと言えず我慢していて、授業が終わって立った瞬間、足がふらついて、命からがら先生に助けを求め、担架に乗せられ保健室に行った。

授業中、成績が下がるとは思ったが、痛すぎて我慢の限界で机に突っ伏して寝ていた。

先生に対する申し訳無さでいっぱいだった。

※大学ではほぼ休んでいます。

・生理痛でボーッとするので、授業中の記憶はあまりない。

授業中、冷たい椅子にずっと座っているのが1番辛く、途中で保健室に行くのも気が引けるので、痛みを耐え続けていること。

テストに集中できず成績が落ちた。

大切なプレゼンの日に伝えたいことを伝えきれず、成果を残せなかったと感じる。

・頭が痛くて授業中に寝てしまい、注意された。

・授業中などはまだトイレに行くことができるが、集会などで冷たい床に座って何時間も拘束される時は、床やスカートに血がつがないか不安で、余計体調悪くなった。

・pmddの中、頑張って学校に行っていたら、気持ちが一気に落ちて、鬱の状態で死にそうになって、結局しばらく学校を休み実家に帰った

・男性の担任の先生に相談したら生理なら休む必要ないよねって言われた

・工業大学なので男性の先生や学生が多く、理由を言いにくい

・皆勤賞を狙っていたから生理を理由に休むわけにはいかなかった。大学受験の日に被ったことが本当に辛かった、言い訳になるかもしれないけど本来の万全な体調で挑みたかった。

・中学時代に二日間だけの職場体験があり、その日に生理の症状が重い日とかぶってしまった。美容室の職場体験で、普段より立ってる時間が長く、帰り際に道端で嘔吐した。

・休めずに授業を受けたら、ボーッとしているとのことで注意をされました。その時は生理2日目で特に経血量が多く、貧血気味で集中もあまりできないような日だったので、勘弁してくれと思いました

・実際に授業等を休んだのではないが、試験期間直前に特に重い生理が来た経験がある。試験勉強に生理のせいで集中できず、腹痛・腰痛に加え、情緒も安定せず、泣きながら勉強をした。みんな勉強をしているであろう時に自分だけ集中できていないような気がして、あの時は生理追試があれば良いのにと思った。

・成績に欠席がつくのが嫌で無理やり出席したら結局倒れてしまった。

・男性の先生の授業だと特に言い出せなくて休みづらかったです

・担任が男性教師で言いづらかったのとクラスメイトで遅刻でいいから頑張って来てと言われた子がいたから。

・学校で何かができなかったとき(部活、体育など)「生理だから」という理由を説明できずで困った

・プール等生理を理由にした休みは水中では経血は漏れないから問題ない。だからやれ。というスタンスでした。

・休めなかったわけじゃなくて大丈夫だと思って学校に行って結局体調が悪くなって学校で吐いたことが何回かあります。帰り道が一番辛い

・経血の量が多くスカートまで漏れてしまい、男子もいたためとても恥ずかしい思いをした。

・休みたいではなく、学校側が無理せず休み、早退を進めるが、内申に関係する矛盾点について困っている。

・授業中腹痛と頭痛が酷くてつくえにうずくまってたら授業態度が悪いと怒られた

・生理痛で学校を休んだら点が引かれてしまうので1回だけならと思うかもしれないがそれが平均4日に1回あるため休めなくて丸くなって授業を受けていたら結局授業態度の点も引かれ、体調もなかなか良くならなかった。

欠席扱いにされたことで、成績や内申点が下げられた

「欠席扱いにされたことで、成績や内申点が下げられた」は3人に1人程度の割合に達した。

日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート
日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート

自由記述

・出席率が足りず補習対象になった

・男子生徒からの生理についての理解を得るのが難しいと感じた

・休んだ理由を生理だとは言いづらく、困った

・欠席した分生理中だけどプールの代わりに走らなければならなかった

・大事な授業を休んでしまい、教員からの印象が悪くなった

・単位がもらえなかった

・遅刻して先生に連絡しに行った時男の先生に休んだ理由を聞かれて生理とは答えられなかったこと、そしたらこっちの体調管理不足だと指摘されたこと

・休みやすい人と思われるようになった

・皆勤賞取れなかった

生理教育は男女別

今回のアンケートでは、今までどのような生理に関する教育を受けてきたかについても聞いているが、その中では、男女別に行われ、内容としても不十分な実態が明らかとなった。

Q.今までどのような生理に関する教育を受けてきましたか?具体的に教えてください。(例)いつ、どのくらいの時間、誰から、どのように、男女合同か別か 等

・小学校までは修学旅行などの前に男女別に分かれて、女子の方は月経が来た場合の備えをサラッと教わるだけ。中学では特に教わった記憶がない。高校では家庭科の保育?の授業で「女性の体の仕組み」的なことの一貫として教わるだけで、症状は人それぞれバラバラだとか本当に大事なことは言われません。

・小学校4年生の時、10数分間、保健室の先生から、先生が子どもたちの前でナプキンの広げ方、下着への付け方、捨て方を実際に披露する形で、女子のみ集められ行った。

・小学5年生のときに、女子生徒のみ女性の先生から教えられた。生理は恥ずかしくないことやナプキンの使い方、学校で初潮が来てしまったら女性の先生がサポートしてくれることなどを教えられた。中学は保健体育の授業で男女ともに学習した。

・小学校の野外学習前に、学年の女子だけ集められて、養護教諭から汚れたナプキンの片付け方、困ったら女性の先生に相談するようにと言われた。中学校は男女別の授業で、女子は保健体育の教師と養護教諭から妊娠、出産も含めて体の仕組みをメインに説明をされた。高校は男女合同で保健体育の教師から中学校と同じような説明をされた。

・小学校高学年の時に、学年の女子だけ放課後に集められ説明を受けた。女性の体が妊娠のために毎月月経が起こるというざっくりとした説明だけで、対処法や生理痛などに関しては教えてもらったことがない。

・男女別の保健などで教わった。中学生のころ、年に1-2回でしたが、生理現象(何歳くらいになると子宮から〜など、生殖的な話)のみで、実際にどんな症状があるのか、どういう役割をしているのかなどは教わりませんでした。

・小学4年生に初めて、男女別の教室(担任たちは男性は男子、女性は女子の教室についた)に分かれて、同じ性教育ビデオを通して月経や射精について、2コマ使って学習した。その後も小5・小6の宿泊学習の前に男女別で月経(男子は不明)について復習した。・中学ではおそらく2年生頃に月経について学習したが、小学校で学習した内容と重複していた。体育と同様の分かれ方だったため男女別。・高校では月経の仕組みについての軽い復習として学習の機会があった。こちらは男女混合(国数英等の座学と同様のクラス)。

・中学までは男女別だった。個人差はあるが今働いている女性はみんな生理でも頑張っているから生理で休むという考えは良くないと教えられた。プールに参加出来ない時は地下一階から5階までの階段ダッシュ+腹筋背筋腕立て伏せでした。(中学女体育教師)

・男女別で保健体育の授業で 3時間分くらいで終わっちゃうくらい短期間! 生理が来る原理を教えてもらったけど、本当は生理がきて辛かったら誰に頼ればいいのか、ピルや婦人科に関する情報を知りたかったし、男子たちにも私たちの体について知ってほしかった。

・小学生のときは、保健の先生から、身体測定が終わったあとなどの少しの時間、女子のみが、「生理というものがくることと、ナプキンの使い方」を教わりました。中学生では、保健体育の授業で、保健体育の先生から、男女混合で月経について習いましたが、内容は生理周期や生理が起こる仕組みなどに限られ、生理痛や、生理用品の種類、ピルの使用、PMSなどについては習いませんでした。

男性にも生理教育を、生理痛や婦人科へのアクセス方法を義務教育で

Q.生理についてどのようなことを学校で学びたいですか?

・生理にまつわる病気をしりたい。私は生理前と生理中は精神が不安定になっており、PMDDという病気であるということを最近知った。それまでは違う病気だと言われていたので、早く知っておけばよかった。

・生理用品がナプキン以外にもあること。男子にも、女子の生理事情について知って欲しい。

・【時期】

もっと早く(4年生の2, 3学期頃)ナプキンの使い方や生理の症状・対処法について教えてほしい。

生理の原理等は、理解能力があるという点で高学年で教えた方がいいかもしれないが、初潮の時期は人によって違うため、生理は体が大人になってる証拠だということ、生理痛の症状や対処の仕方については、1番早い人に合わせるつもりで行った方がいいと思う。

【内容】

ナプキンはどこで、どのように変えるのか

急に生理が来た時、ナプキンがもらえる施設もある

ということを詳しく教えた方がいいと思う。

・色々な人それぞれの症状があること、医師に相談すべき内容(子宮の健康、ピルや副作用について)、年齢によって症状が変化すること、雰囲気として恥ずかしいことじゃないという態度を持つこと、生理用品が今は多数存在しー選択できること

・休んでもいいこと、生理がきつければ病院に行った方がいいこと、いろんな生理用品があること、生理用品が買えなければ相談できること

・ナプキン・タンポン以外にも、生理用品があるのだということをもっと早く知りたかった。

・低用量ピルを飲むことで、症状が緩和することももっと早く知りたかった。

・男女ともに同じ情報、生理によって生活に支障をきたす人も存在するのだということを教えてほしい

・量や色の個人差、病気の危険サイン、痛みへの対処法、ピル、ナプキン以外の方法、月経前症候群、いつまでに初経が来なければ病院へ行くべきか

・生理の貧困など社会課題、PMDDやPMSの対策、避妊ではなく生理の文脈でのピルの説明

・婦人科へのハードルが下がるような話、生理痛がひどい人への選択肢

・生理を性教育の一部分ではなく、大人になるために身体が変わろうとしていることに生理の知識も大人に変えていくことを女子だけでなく男子も学べる時間にしたい。

・月経や生理痛が、人によるけどどれくらい体調に影響するのか(ひどい人はめまいがしたり起き上がれないほどお腹が痛くなったりするなど)の教育を男女合同で受けたい。そして、辛い時は無理しなくていいと言うような教育もあってほしい。

・男女ともにからかいの対象にしないなどマナーを教えてほしいです。いつ起こるのか、どれくらい続くのか、ナプキンがないときはどうするのか、困っている人がいたらどうしてあげたらいいのか、生理痛がひどい時は?病院にいくのはどんな時か、これらを男女問わず知識として持っている状態にして欲しいです

・女子であっても痛みがない人もいるので、それは男女共に知ってもらいたい

・ピルや生理用の薬について、産婦人科の行き方(一人で行くのをためらってしまうので)

・タンポンの使い方や月経カップなどの使い方を学びたい。月経カップ、タンポン、ナプキンなどの使用方法、メカニズム、体調不良時の対処法、正常・異常について(周期、経血量、痛みなど)

・人によって重さやキツさは違うこと。男子にも正しく知ってもらい、日常生活で気を遣ってほしい。そう言う気遣いが互いの相互理解の礎になると思うから。例えばピルを飲む子は性的に奔放な子ではなくて、生理痛が重いや月経不順など様々な理由があることなどを知識として男子も女子も知るべき。女性だけが生殖の重要な部分を担うのに、男性はAVの間違った知識で、避妊しなかったりと無責任な行為をする人が後をたたない。

・生理休暇の存在を大学生になるまで知らなかったので、大切な権利の一つとして早めに教えてもらいたい。

・選択肢を知りたい。量が多くて高校生のときは毎回スカートを汚していた。大学生にはいりナプキン以外にもタンポン、ピル、月経カップがあることを知り、生理がすごく楽になった。生理がタブーじゃないこと、生理痛がひどい場合は産婦人科に行かないといけないこと、個人差があるから自分がつらいと思ったら休んでもいいということなどもはやく知りたかった。

・男性にもちゃんと教えてほしい。生理休暇がずるいと言われる社会はおかしい

・生理に伴う生理痛やpms、また薬について教えて欲しかった。薬の服用は、親が考えが古く積極的に使うことは勧められなかったので、高校生の時に養護教諭の先生に勧められ初めて利用するようになった。男女別でなく、男子にもしっかり教えてほしい。中学生の時女子の肌荒れを揶揄ったり、注意をされたら「イライラしてるな生理かよ」などと発言している男子がいたため。また、最近調査で男性の生理に対するイメージの一位に「イライラする」というのがあってショックだった。なぜそうなるのか、メカニズムや、体の状態も知らずにマイナスな印象だけを持っているのが信じられない。

・生理痛やPMSなどの症状と、その辛さや症状が人によって違うこと。

・生理用品を取り替える頻度や、それによって月に平均何円かかるか、お金がない時にどこに行けばいいか(今後生理用品を配布する自治体が増えたら絶対に教えてほしい)

・学びたいというより先生に気をつけてほしいことだが、生物や保健の授業で物を食べてから排泄するまでを普通に教えているように、子宮を持っている以上当然起こることだから同じように教えてほしい。また生理が辛い先生がいれば当たり前に休める学校制度が整えば、生徒も自然に生理を受け止めやすくなると思う。

・生理についての偏見を無くすような授業があったら嬉しいです。例えばピルを飲むのは、避妊のためだけではなくて酷い生理痛等を和らげる効果がある。休むのを甘えではなく将来のための大切な行動である等。

また、男性にも同じ授業を受けていただきたいです。

学校での「生理休暇」導入には9割以上が賛成

日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート
日本若者協議会、#みんなの生理 アンケート

Q.回答の理由を教えてください

(賛成)

・痛すぎて我慢できない。命の危機を感じた。生理になると、また倒れるのかと思うと怖かった。

生理前と生理中は精神が不安定になるので、授業どころではない。

・生理には個人差があって、症状の酷い子が無理をして学校に通うのは身体に良くないから。

・生理痛の辛さや経血量は個人の体質によって違うので、生理痛が辛い人のみ欠席日数が多くなるのは不平等だと思うから。

私自身、生理が始まる前は一度も保健室に行ったことのない健康児だったが、高校生になってからは生理痛がひどくなり、生理痛による欠席が増えて(2ヶ月に1回程)、奨学金申請時に影響が出ないか非常に不安なため。

・今までは生理で休むことはずる休みだと言われていたが、ずる休みではないことを社会的に示すきっかけになる

・生理を理由に体調不良と伝えて休むと体調管理が出来ていないと思われないかどうか気になってしまいますが、生理であると相手に伝えるのにも抵抗があります。生理休暇という言葉自体私も初めて知ったので、どのように使われるものなのか分からないのですが、「生理休暇」と一言で伝えられるのは連絡がしやすいなと感じました。

・自分自身、生理が重く、学校を欠席したりしなくてはならなければいけないことが多かったのと、やる気は誰よりもあるのに生理のせいでそれが表に見えないということに悔しさをずっと抱いていたから

・生理休暇がない現状では、先生や周りの人に理解されないことへの不安から単に「体調不良」などとしてしまい、女性ならではの不利益であることが可視化されていない。生理休暇を導入すれば、その他の休みと差別化され、また生理の存在が可視化され、オンライン授業などで補うなどの対処法を考えることもできるようになると思うからです。

・辛い時に辛いと言え、不当に扱われない仕組みが必要だと思うから。

・体調が悪いときは休む、という当たり前の感覚が、生理という理由を前にすると麻痺する層に悩まされている人が、いまだに多く存在していると思うからです。

・生理が辛くて辛くて毎日泣いていた時期があったから。 生理休暇はすごくいいものだと思う。

・生理で休むことが小さいころから当然のこととして受け止められるようになるから

・欠席ではなく、公欠になるのは凄くありがたいと思う。しかし、休んだ分の授業内容をどうカバーするかが難しいと思う。

・現状、出席日数が成績に記載され、受験に影響します。生理休暇がないことは、女性の体を持っている人だけを不利な状況に追いやることだと思います。職場でも導入されているならば、なおさら学校でも導入すべきだと思います。

・まずは在るべき。いるかいらないか、選択出来る自由な権利を持つと言うことに意味がある。あとは個人の選択。

・生理痛で休み時間にトイレで吐きながら学校に来ている子もおり、そのような子がちゃんと休めるようにしてほしいからです。

・生理によって学校を休み成績などが下がってしまう人がいるのは、個人の身体への理解不足であり、特に女性への不平等だと感じるから。

・生理痛でも休みづらい環境なので、学校側から積極的に生理休暇を勧める環境にするべきだと思う。

・生理痛が重い人は、身動きが取れなかったり、気を失ったりすることがある。そのような状態で通学すれば事故に遭う可能性もあるし、授業にも集中できない。月経自体は生理現象だが、そこから発生する生理痛や頭痛、貧血などは体調不良に変わりないため、休めるようになるべき。また、生理は女性特有のものであり、個人差も大きいため、一般的な病欠や欠席とは分けて考えるべきだと考えるので、学校における生理休暇の導入には賛成である。

・必要だと思うから。ただし、からかいなどが起こらないように、すべての性別の生徒・教師の一定の理解があって欲しい。制度があるだけにならないように。

・生理による欠席日数が多くて推薦に響きました。

・生理痛やPMS、排卵痛などは立派な病気であるため。他の病気なら休めるのに、生理にまつわる理由だと休めないのは理解できない。どれくらい辛いのかを、生理がこない人・あるいは生理痛などが軽い人もきちんと知るべきだと思うため。

・逆に反対する人はなぜ反対するのだろう。正直休んで困るのは勉強が遅れる当事者だけなので、正直に言えば休む人のことはそっとしておいてもらえればいい事だと思う。女性やその人だけ休めてズルいと考える人は、うらやましく思うのなら自分も体調不良と言って休めばいいのだし、結局反対している人は何に対して反対するメリットがあるのかよく分からない。

思春期には休むことで色々絶妙なバランスで色々な事があるのだろうが、毎日元気で学校に行けている子は、それは本当はありがたいことなんだし、そんな自分自身を誇ってあげればいいことを教えてあげてほしい。

社会人になって会社の場合になるとチームで仕事をする場合もあり話は別になってくるけれど、学生は生理休暇があっても問題ないと思う。

先生の事務的な負担や後から勉強のフォローをしなくてはならなくなるのでは?といった対応がめんどくさいのかしら……と思ったりはしますが。

何も特別扱いしなくても、風邪と同じような対応でいいのではと思います。

「はいはーい!わかったよ〜ゆっくり休んでね〜」くらいの先生や周囲の感じが、本人からすると一番ほっとするし、ありがたいと思います。

後で勉強の面をどうするのかは、ある程度は本人次第なのではとも思う。先生や友達にノートを借りる。教えてもらうように頼む。休んだ時、その後でどう動くか。生理なら後でみんなに頼むより、予め先生に勉強の範囲を教えてもらって、もらう予定のプリントなどは用意してもらっておくことを予め頼んでおこうか……など。そういった、不自由への向き合い方や自分で試行錯誤をするのも大切な社会勉強の一つになると思います。

・生理のある性別に生まれること、生理の重さ等は自分では選べないので、相応の配慮が必要だと思うから。選べない要素によって、生理がない人と比べて不利になることがあってはならないと思うから。

・生理が毎月くる女性にとって、努力で避けられない体調不良のせいで成績や内申点が下がるのはあまりに不公平だと思うから。

男性は体調の自己管理によって毎日健康でいられる可能性が遥かに女性より高いのに同じ対応をするのは不誠実であると思う。

平等さではなく、公平さを。

・自分の体の調子が悪い時に、理由がなぜなのか、調子が悪い時は躊躇いなく休んで良いということを認識できるようになると思う。特に、生理という理由では休みにくいという現状がある今、特に必要であると思う。

また「月経」というのは体の仕組み上起きてしまうものであり、日本で生理を止めるピルが勧められていない現状では症状をマシにする低容量ピルの服用と、「休む」くらいのことしか対策のしようがない。

・生理が辛い辛くないは年齢によるものではないので、子供でも風邪で病欠するのと同じように生理で休めるようになれば、大人になっても休める社会に変わるように思うから。

・私はホルモンが安定せず、生理になると必ず吐きます。夜は頭痛腹痛で眠れず、気を紛らわそうとテレビやスマホをみると画面酔いで気持ちが悪くなります。量も多く、漏れを気にして毎回トイレに駆け込んだり、痛いのが我慢できず授業中いきなり教室を飛び出たこともあります。多くの女子生徒に辛く恥ずかしい思いをさせるくらいなら生理休暇があっても良いと思います。

・正直、私が苦しかったからです。毎月お休みする時期もあり、サボっていると思われることも嫌でしたし、欠席することで成績が下がってしまうことも嫌でした。かといって、風邪と違って自分でどれだけ対策しても毎月生理になりますしピルを飲んでいる時期もありましたが、毎月親に薬代を払ってもらうのも申し訳なくなり受験のタイミング以外は飲めませんでした。体育の先生などにも休む度にまたかよという顔をされ、私だって休みたくて休んでるわけじゃないのになぜこのように言われなければいけないのかと思っていました。大学生になった今でも休んでしまうことが多いので生理休暇が導入されれば本当に世界が変わると思います。

・生理はとても辛く重い人もいて言ってしまえば必然的な体調不良であるから、インフルエンザのように公欠扱いにするべきだと思うから。

・正式に生理休暇という項目が出来れば休みやすくなるから。生理で休むのが悪い事だと思われる風潮が無くなるかもしれないから。

・自分ではどうもできない人がいる中、体調によって成績や欠席日数に影響し、進学に影響してしまう人がいるのは悲しいです。

・この制度がなくても、周りの理解があり、欠席を認めてくれるならいいけれど、私が気になるのは欠席したことで単位に影響が出ること。だから、インフルみたいに、生理で休んだ時は出席扱いにしたり出来るように、この制度は必要かなと思う。ただ、「休暇」という言い方は休みを満喫しているかのように思えるので、「生理欠席」などにするといいかもしれない。

現状、会社での「生理休暇」も取得率が低い現状があるが、社会の雰囲気を作り出す生理用品のCMも日本と海外では大きく異なる、という指摘もある。

日本ではなるべく日常生活に支障が出ないことをPRしているが、韓国では生理の辛さを正面から取り上げた上で、休むように推奨している。

休んでも支障が出ない環境作り、学校の「休み方改革」を

こうした実態、当事者の声を踏まえ、日本若者協議会と#みんなの生理では、要望書を作成し、12月24日に文科省に提出した。

これまで日本では「皆勤賞」を誉める風習が存在し、「多少無理してでも休むべきではない」という空気感はいまだ根強い。

しかし、無理して通学して学校で倒れるようでは、本末転倒であり、身体的、精神的に不調があれば、学校を休み、回復してから集中して学ぶ方が健全であることは明らかだ。

さらにオンラインの活用が広がっている現状では、補習など対応もしやすい。

近年会社で「働き方改革」が進んでいるように、学校でも教師も含めた「休み方改革」が必要なのではないだろうか。

令和3年12月吉日

文部科学省 御中

日本若者協議会、#みんなの生理

学校での「生理休暇」導入を求める要望書

今回、日本若者協議会と#みんなの生理は、学校での生理休暇の導入について合同アンケートを行いました。そのアンケート結果をもとに学校での生理休暇を導入することを求める要望書を提出します。

<はじめに>

日本若者協議会は、若者の声を政府や社会に届ける「窓口」として、若者政策の立案、各政党との政策協議、政策提言を行っている若者団体です。#みんなの生理は、「生理用品を軽減税率対象に!」キャンペーンから生まれた団体です。「全ての人の生理に関するニーズが満たされ、どんな人も自分らしく暮らせる社会」を目指して活動しています。

現状、働く労働者に対しては、労働基準法第68条「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した時は、その者を生理日に就業させてはならない」によって生理休暇が認められているのに対し、中高生に対してはそのような制度がありません。しかし、中高生の生理痛が大人の生理痛より軽いなんていうことはありません。

そこで、日本若者協議会と#みんなの生理では、学校(小・中・高校、専門学校、大学など)に在籍されている方を対象に、小学校、中学校、高校での生理休暇の導入についてアンケートを実施しました。インターネット上で回答を募集した結果、300名にご回答頂きました。

<回答結果のまとめ>

・生理によって授業・学校を休みたいと思ったことがある人は83%

・生理によって部活や体育などを休みたいと思ったことのある人は88%

・休みたいと思った理由は83.3%が頭痛や腹痛などの痛み

・学校や授業、部活・体育を休みたいと思った人のうち、68.3%は休むのを我慢している

・休めなかった理由は62.6%が成績や内申点に悪影響が出ると思ったから

・生理によって授業や部活を休んだことで困ったこととして、「欠席扱いにされたことで、成績や内申点が下げられた」が多く挙げられた

・学校に生理に関するガイドラインがあると答えた割合は2%

・「生理休暇」を学校に導入することに92%が賛成

<アンケート結果からわかる問題点>

・生理が辛くても休めない

現状として、生理を経験する生徒の8割以上が腹痛や頭痛などの理由から学校を休みたいと思ったことがある反面、約7割が主に成績や内申点への悪影響を心配して休めていない。また、生理の症状が軽い人や、生理を経験しない同級生や大人からの理解を得られないことから学校を休むことができない生徒もいる。その結果、体調が悪化したりなど、精神的・身体的に辛い思いをしている生徒が少なくない数いる。

・生理についての理解が足りない

生理への理解が足りないという声がアンケートでたくさん届けられた。保健の授業では男女別々に生理について教わり、教わった内容は生理痛や、生理用品の種類、ピルの使用、PMSなどには触れない表面的なものだったという人が多数いた。先生の中にも生理に対する十分な理解を持っている人が少ないため、頼ることができないという声が届けられた。

・具体的で統一されたガイドラインの不足

現在学校には統一した生理に対するガイドラインがない。特に体育の授業での生理のルールは先生によってバラバラなため、不満の声が多く届いている。生理でもプールに参加しなければいけない学校や、生理でプールを欠席した際は減点となる学校もある。

<求めること>

1、学校での生理休暇の導入(ヘルス休暇)

生理痛によって学校を休みたいけど、成績への悪影響などを心配して休めない人が一定数いる。生理休暇を導入することで、生理による欠席を公欠にすることができたら、体調悪化などを防ぐことに繋がる。一方、プライバシーの観点や「ズル休み」「不公平」といった批判が出かねない懸念から、名前も「ヘルス休暇」「エフ休」に変えるなど、導入の仕方には工夫が必要である。例えば、学校を休む「正当な理由」に「精神的あるいは身体的な不調」を含める、一年に10日ほど休暇日を設け、それ以上休みたい人は婦人科の診断書を学校に提出する、一部企業が導入している1時間単位で休むことができる「ライフサポート休暇」導入、といった方法が考えられる。

台湾では会社と同様に、小学校・中学校・高校・大学でも生理休暇が導入されており、月1回の生理休暇が可能になっている。また、アメリカの各州では、「メンタルヘルス休暇」の導入が進められており、精神的・身体的な健康に関わる理由で、生徒の学校欠席を許可する法案が可決されている。日本でも同様に、生理休暇を学校で導入することを検討することを求める。また、企業の「生理休暇制度」は利用率が低いことから、制度を作る際は、当事者である児童生徒の声を踏まえて、より活用しやすい制度にすることを求めたい。

2、学校での生理のガイドラインの作成・見直し

体育の授業で生理中の生徒はどう参加するか。保健室で休むことはできるかなど、学校でのガイドラインを作成・見直し、生理中の生徒への負担を取り除きサポートできる内容に改善して欲しい。

また現状は、各学校で異なる対応が取られているため、実態調査を行った上で、教育委員会で共通のガイドラインを作成することを求める。

3、充実した生理教育(包括的性教育)を生徒・教員全員に行う

生理を経験する人もしない人も充実した生理教育を受けるべきである。生理ナプキンの使い方や生理の仕組みだけでなく、生理痛や月経前症候群、婦人科に行くべきタイミングや生理を取り囲むスティグマなど、実践的で詳しい内容を教えてほしい。充実した生理教育を生徒全員に行うことを求める。

また先生の中にも生理に対する十分な理解を持っている人が少ないため、副教材の開発や、外部講師による研修などを通じて教育を行うことを求める。

その際、生理教育の実態や教員のリテラシーを問う実態調査を行うことも求めたい。

<参考>

学校での「生理休暇」についてのアンケート結果(日本若者協議会・#みんなの生理)

https://youthconference.jp/wp/wp-content/uploads/2021/11/b579180648f7f7ec2ccc80bc44588174.pdf

以上

日本若者協議会代表理事

1988年、神奈川県生まれ。若者の声を政治に反映させる「日本若者協議会」代表理事。慶應義塾大学経済学部卒。同大政策・メディア研究科中退。大学在学中からITスタートアップ立ち上げ、BUSINESS INSIDER JAPANで記者、大学院で研究等に従事。専門・関心領域は政策決定過程、民主主義、デジタルガバメント、社会保障、労働政策、若者の政治参画など。文部科学省「高等教育の修学支援新制度在り方検討会議」委員。著書に『子ども若者抑圧社会・日本 社会を変える民主主義とは何か』(光文社新書)など。 yukimurohashi0@gmail.com

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