【言葉で子どもを伸ばす】「できたらほめる」を「ほめたらできる」の順番に変えるだけでうまくいく
大人が子どもをほめられないのは、「子どもががんばったらほめよう」「できるようになったらほめよう」と無意識のうちに思っているからです。
でも、これだと永久にほめられません。それよりも、まず先に取りあえずほめてみることをお勧めします。ほめられれば子どもはうれしくて、それだけで前向きな気持ちになれます。
そして、何となくできそうな気もしてくるものです。なぜなら、肯定的な言語化をされることで肯定的な自己イメージができ、それが自己創造の青写真になるからです。
それで、実際だんだんできるようになることがよくあります。つまり、「できたらほめる」より「ほめたらできる」の順番の方がうまくいくのです。これが「先ほめ効果」です。「初めに言葉ありき」ということですね。
「仲がいいね」とほめれば実際に仲がよくなる
例えば、きょうだいを仲よくさせたいと思ったら、先に「あなたたち仲がいいね」とほめましょう。そうすれば、「ぼくたちは仲がいいきょうだいなんだ」という肯定的な自己イメージができて、それが青写真になります。
逆に、仲よくさせようと思って「なんでケンカばかりしてるの。もっと仲よくしなきゃダメ」と叱るところから始めてしまうとどうなるでしょう?子どもたちは「ぼくたちは仲の悪いきょうだいなんだ」という否定的な自己イメージができて、それが青写真になってしまいます。
ところで、以前私はローカル番組で印象的な場面を見ました。それは親子料理教室というイベントの様子を紹介する番組で、たくさんの親子が集まってそれぞれシチューを作っていました。
ある親子が写って、子どもがシチューをかき混ぜているときに、お母さんが「上手だね」とほめました。子どもは「うん!」と答えてやる気満々でした。
できていなくてもほめる
次に、そのお母さんは「こぼさずにできるね」とほめました。実はけっこうこぼれていたのですが、そう言ったのです。それを聞いた子どもは「うん!」と答えて、同時に鍋をかき混ぜる手がゆっくり丁寧になりました。
それまではけっこう速かった手の動きが、急にゆっくりになったので、見ていた私は思わず笑ってしまいました。そして「なるほどなあ」と思いました。
普通だったら「ほら、こぼれてるでしょ。もっとゆっくり混ぜなきゃダメ」と言ってしまいそうなところです。でも、このお母さんはそういう否定的な言い方をしないで、先にほめたのです。実際にはできていないのにほめたのです。
「ほめたらできる」の見本のような場面でした。ということで、みなさん「できたらほめる」ではなく「ほめたらできる」の順番に心がけましょう。
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