柔道女子・阿部詩選手の「ぎゃん泣き」に中国のSNSの反応は?
パリ五輪の柔道女子52キロ級の2回戦で、日本の阿部詩選手がディヨラ・ケルディヨロワ選手(ウズベキスタン)に一本負けしたことが、SNSを中心に大きな波紋を呼んでいる。
その場で「信じられない」といった表情でしゃがみこんだ阿部選手だが、その後、人目もはばからず「ぎゃん泣き」している映像が放送されると、日本のSNSには「みっともない」「子どもか」「相手選手へのリスペクト、武道の精神がない」「おごりがあったのでは」などの否定的で厳しい意見が投稿された。
その一方、「この4年間、相当な重圧がありプレッシャーと戦っていたのだろう」「かわいそう」「見ていてつらい。こちらまで悲しくなる」「よくがんばった」などの肯定的な意見があふれ、大荒れ状態となった。
阿部選手のSNSには、ウズベキスタン人など海外からの書き込みもあったが、隣国の中国人はどう見ているのだろうか。ウェイボー(微博)など、中国のSNSの意見を見てみると、意外にも「肯定派」のほうが多いように感じた。
中国人のSNSでも賛否両論
阿部詩選手の試合は中国でも注目され、兄で男子66キロ級で2大会連続で金メダルを獲得した阿部一二三選手の動画とともに多数再生されており、大量のコメントも投稿されていた。中国では、柔道はそれほど盛んではなく、フランスのような「柔道大国」ではない。だが、日本だけでなくフランスでも大きく報道されていたため、注目を集めたようだ。
SNSを見てみると、比較的肯定的な内容が多いように見受けられ、日本人の肯定的な意見と同様、「プレッシャーが大きく辛かったのだろう」「がんばって。また、次があるよ」「こちらまで涙目になりそうだ」などの温かいコメントがかなりあった。
だが、在日中国人など、少しでも日本の武道に対して知識がある中国人のSNSを見ると、日本人同様に意見は真っ二つに割れていて、中には「号泣」する場面に対して彼ら同士で「言い合い」しているものもあった。
たとえば、「みっともない。スポーツマン精神を忘れてはいけない」「対戦相手は飛び跳ねるわけでもなく冷静沈着だったのに、こんなに人前で泣き叫ぶ日本人は初めてみた」「中国人と違って、いつも冷静に見える日本人でも感情をコントロールできないのか……」「柔道をやってきたのに礼儀を学ばなかったのか」といった辛辣なコメントがあった。
それに対し、別の中国人が「まだ20代で若いのだから、気持ちが高ぶったのだろう。もっと温かい目で見てあげるべきではないか」「こういう厳しい意見ばかりいう大人がいるからダメなんだ」と反論している人がいた。
今回のパリ五輪では、体操女子日本代表だった宮田笙子選手が喫煙と飲酒で代表を辞退した一件もあり、日本人の中にも賛否両論が巻き起こっているが、隣国のSNSでも同じような意見が飛び交っている。
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