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中国、韓国、台湾でも速報 中山美穂さん死去 映画「Love Letter」などがアジアで大ヒット

中島恵ジャーナリスト
(写真:アフロ)

俳優で歌手の中山美穂さん(54)が都内の自宅の浴室で死去していたことがわかった。80年代にアイドルとしてデビュー。瞬く間にスターの座を駆け上がり、「WAKUWAKUさせて」や、WANDSの上杉昇さんとデュエットした「世界中の誰よりきっと」などが大ヒットした。

95年には豊川悦司さんとの主演映画「Love Letter(ラブレター)」(岩井俊二監督)がヒットし、日本のみならず、中国や韓国、台湾、香港などでも公開されて人気を博した。中山さんの突然の死は6日、17時現在、中国のSNS、ウェイボーのホット検索ランキングで第1位、韓国でも速報されるなど、アジア圏に衝撃が広がっている。

中国のSNSで「女神、やすらかに」

中国のウェイボーでは、日本で死去の一報があってすぐに「中山美穂入浴中に死去」というセンテンスが検索ランキング第1位となった。日本の報道をそのまま引用、翻訳する形で、6日の17時現在、関連記事を7000万人以上の人が閲覧し、1万5000以上のコメントが寄せられるなど、大きな衝撃が広がっている。

コメント欄には「まさか、信じられない」「どうして?悔しい」「私の青春……」「憧れの存在だった」「私の女神、安らかに」などのほか、中山さんの主演映画「Love Letter」の中国語タイトルである「情书」や、その役名である渡辺博子、藤井樹などをあげて「親愛なる藤井樹」「私の藤井樹(涙)」などと呼びかけているものもあった。ほかに「賢者の愛」「Love Story」などの作品が好きだという意見もあった。

韓国では小樽旅行がブームに

韓国では99年に映画「Love Letter」が公開されるとすぐ、140万人を動員する大ヒットを記録。台湾でも同年に公開されてヒットした。韓国では劇中に登場する「お元気ですか? 私は元気です」というセリフが大流行し、映画の舞台、ロケ地となった北海道・小樽市には大勢の観光客が押し寄せ、一大ブームを巻き起こした。

現在でも、その当時のことを記憶している韓国人は非常に多く、何度も小樽を再訪しているという人も少なくない。そのため、現在まで小樽は韓国、中国、台湾などアジア圏の観光客に定番の観光地となっている。

韓国では98年10月に日本大衆文化の流入を段階的に開放し始めたが、中山さんが主演した「Love Letter」は、それ以降ヒットした日本作品の代表的な存在だった。

ジャーナリスト

なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。

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