保育士に1番大切なのは人間性~元男性保育士が考える【保育士に問われる人間性と専門性とは?】
こんにちは。元男性保育士のナイスです。
現在、保育士として頑張っている人や保育士を目指して頑張っている学生の皆さんは、保育士に1番大切なことはなんだと思いますか?
僕は「人間性」だと考えます。しかし、保育士は人間性がよいだけではダメで、高い専門性や多くのスキルも求められる職業です。
今回は、保育士に大切な「人間性」と求められる「専門性」について解説します。
保育士の仕事とは
保育士は「底辺の仕事ランキング」に入っていて、僕が若い頃は「3K」の職業だと言われていました。保育士をしている頃、「保育士さんって大変だよね」と言われることがよくありましたが、保育士は子どもと遊んでいればよい楽な仕事、簡単な仕事だと思っている人もいます。しかし、保育士は仕事量が多く、高い専門性が求められる責任のある仕事です。決して簡単な仕事でも楽な仕事でもありません。保育士の仕事は多岐にわたります。
- 子ども達と一緒に生活しながら、年齢に応じた援助や配慮、さまざまな指導を行わなければなりません。子どもに挨拶や手洗いなどの衛生面、食事、排泄などの基本的生活習慣が身に付くよう援助や指導を行います。0歳児から5歳児まで年齢ごとに援助や指導をする内容は異なります。
- 園の方針にもよりますが、運動や音楽、工作、言葉、ダンスなど知育的な指導を行うのも保育士の仕事です。散歩や遠足などの園外保育もあり、子ども達を連れて園外に出かけることもあれば絵本や紙芝居の読み聞かせもします。
- 子ども達と一緒に遊び時間もありますが、ただ遊んでいるだけではなく、子ども達がケガをしないよう全体を見渡して安全に遊べる環境を整えなくてはなりません。しかし、決して監視役ではありません。
- 子ども達が排泄を失敗したときの着替えの介助や消毒、ケガをしたときの手当て、行事の司会をしたり劇や指人形などで演じたり、人前に出る機会も多いです。
- 子どもと一緒に過ごしていない時間にも、書類作成などの事務仕事から環境整備、工作、保護者との懇談などなど、まだまだたくさんの仕事があります。
人それぞれ得意なことと不得意なことがありますが、基本的にこれらの仕事をすべてこなすのが保育士です。保育士の経験がなければ知らない人が多いかもしれませんが、これだけの仕事をこなす保育士はレベルが高く、大変な仕事だと思います。
保育士に人間性が大切な理由
保育士に限らずどの職業でも、そして日常生活においても人間性は大切ですが、保育士には特に大切です。保育士は国家資格ですが、技術職でも職人でもありません。極端な話、職人さんであれば人間性に問題があったり人とのコミュニケーションが苦手だったりしても、確かな腕があれば仕事をやっていけるでしょう。しかし、保育士はピアノ、運動、工作、司会などの技術に優れていても、人間性がよくなければ子ども達や保護者に信頼されることはありません。
保育士は人生の中でも大切な乳幼児期の子ども達を預かり、心身の成長の援助をする仕事です。子どもは一人ひとり個性や性格が違うのはもちろんですが、成長や発達の度合いも異なります。そのため、子ども達に対する接し方や言葉かけには1つの正解はありません。そして、子どもは日々成長するので、場面によっても対応は異なるでしょう。そのため子ども一人ひとりの気持ちを理解し、状況に応じた対応をすることが求められます。
子どもは自分が思ったように動いてはくれません。そして、子どもの気持ちに寄り添った配慮をするには思いやりや温かみをもっていなければなりません。根気強さも必要です。また、保育士は子どもだけではなく、保護者と接することも多くあります。子ども達と保護者に信頼されるには、人間性が大切なのは言うまでもありません。
ピアノが上手に弾けて、運動神経がよく、人前で司会をするのが得意というように保育士としての技術に優れていても、人間性に問題があれば子ども達や保護者に信頼されるのは難しいでしょう。
そして、保育士に大切なのは人間性だけではなく、子どもの成長や発達に関する専門的知識が必要です。いくら人間性がよくても保育士としての専門性や知識がなく、適切な配慮ができなければよい保育士とは言えません。注意力に欠け、子どもの安全を守れないような保育士も同様です。子どもを安心して預ける人はいないでしょう。
つまり、保育士に1番大切なのは人間性ですが、人間性がよいだけではなく保育の専門性を磨くことが大切なのです。
まとめ
人間性と専門性に優れていれば、ピアノや工作などの技術がなくてもよいわけではありません。人間性、専門性、技術のすべてを兼ね備えたオールマイティーを目指して努力することが必要です。
しかし、ピアノや運動や司会が苦手でも、信頼される人間性と専門性があれば、子ども達や保護者に信頼されるよい保育士だと言えるでしょう。したがって、苦手なことがあっても自信をもって、子ども達と一緒の毎日を生き生きと過ごしてください。
日々仕事に追われ、余裕がない毎日を送っている保育士さんも多いと思いますが、理想とする保育士を目指し少しずつ成長されていくことを応援しています。