ニック・マルティネスが破棄した選手オプションは650万ドルだが、手放した総額は1800万ドル
ニック・マルティネスは、選手オプションを破棄し、サンディエゴ・パドレスからFAになった。
3月にパドレスと交わした4年2550万ドルの契約には、契約金の200万ドルと今シーズンの年俸400万ドルに、2023年と2024年と2025年の選手オプションがついていた。いずれも、年俸650万ドル(解約金150万ドル)だ。
全体の4年2550万ドルは、3度ともオプションを行使した場合――破棄しなかった場合――に、マルティネスが手にすることができた総額を示している。200万ドル+400万ドル+650万ドル+650万ドル+650万ドル=2550万ドルだ。途中で解雇され、在籍年数が短くなったとしても、契約はそのまま残る。
今回のオプション破棄により、実際の契約は1年750万ドルとなった。内訳は、契約金の200万ドルと2022年の年俸400万ドルに、解約金の150万ドルだ。一方、実質的に破棄したのは、3年1800万ドルということになる。こちらは、650万ドル×3年の計1950万ドルから、2023年分の解約金150万ドルを引いた金額だ。
北海道日本ハム・ファイターズと福岡ソフトバンク・ホークスを経て、5年ぶりにメジャーリーグへ戻った今シーズン、マルティネスは、106.1イニングを投げて防御率3.47を記録した。最初の12登板中10登板は先発。その後の35登板は、いずれもブルペンからマウンドに上がった。先発10登板の52.1イニングは防御率4.30、救援37登板の54.0イニングは防御率2.67。ポストシーズンでは、救援7登板の11.0イニングで防御率0.82だった。
FAになったマルティネスは、3年1800万ドルを上回る契約を求めると思われる。ただ、それ以上に望んでいるのは、先発登板の機会ではないだろうか。
再契約の可能性も、低くはなさそうだ。ファンサイデッドのロバート・マリーによると、オプション破棄の前に、マルティネスとパドレスは、契約の見直しについて話し合っていたという。パドレスには、ジョー・マスグローブ、ダルビッシュ有、ブレイク・スネルがいるものの、今のところ、彼らに続くローテーションの4番手と5番手は確定していない。
なお、ロベルト・スアレスも選手オプションを破棄し、パドレスからFAになった。すでに、スアレスは再契約を交わしている。それについては、こちらで書いた。