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【NHL】年俸6億3200万円の選手は地下鉄料金が38円足りず改札で足止め… でもいい一日になった!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
ファイナル第4戦で先制ゴールを決めたT.J.オシー(赤#77)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 NHLのチャンピオンを決めるスタンレーカップ・ファイナルは、第3戦に続いて、第4戦もワシントンD.C.で行われました。

▼ワシントンD.C.のスポーツアスリートが応援に!

 二日前に続いて、アメリカの首都の中心部にあるキャピタルワン アリーナが舞台となりましたが、初めての優勝を願うファンが詰め掛け、この日もワシントンD.C.に人が殺到!

 試合開始まで3時間以上あると言うのに、アリーナ周辺は、またまた見渡す限りの「人!」「人!」「人!!!」

 第4戦はファンに限らず、同じオーナーの下、同じアリーナでホームゲームを戦っているウィザーズ(NBA)のブラッドリー・ビールや、、、

 レッドスキンズ(NFL)のライアン・ケリガンら、ワシントンD.C.のプロスポーツチームの選手たちが、こぞって観戦に訪れました。

 

 その中には、ロードゲームを終えて戻ってきたナショナルズ(MLB)の ブライス・ハーパーの姿も!

 しかし、ハーパーはラスベガス生まれなので、ベガス ゴールデンナイツのジャージ姿で声援を送っていました。

 

▼2試合続けて地下鉄通勤

 ワシントンの多くの選手は、キャピタルワン アリーナから直線距離で8キロほどにある、練習アリーナの周辺エリアを住まいとしています。

 そのためホームゲームの際には、ほとんどの選手が自家用車でホームアリーナへ。

 しかし、第3戦に続いて第4戦の開催日も、多数のファンが集まるワシントンD.C.中心部の道路が通行止めになってしまったことから、主力FWの T.J.オシー(31歳)は、チームメイトの マット・ニスカネン(DF・31歳)とともに、第3戦に続いて、この日も地下鉄で“通勤”。

▼自動改札で足止めに・・・

 ところが、乗車駅で購入した切符が本来の料金よりも35セント(およそ38円)不足していたため、降車駅の自動改札で足止めに遭ってしまいました。

 オシーは、NHLの現役選手が出場可能だった「ソチオリンピック」で、アメリカ代表に選ばれ、ロシアとの死闘を制した立役者になった選手。

 それだけに、ワシントンの中でも、よく知られている選手なので、自動改札で足止めに遭っている姿に注目が集まり、オシーも苦笑いを浮かべていました。

▼でも、いい一日になった!

 ところが、この日のオシーは、氷上で大活躍!

 第1ピリオド中盤に、先制ゴールを決めました(赤#77)

 このゴールから試合の流れを引き寄せたワシントンは、6-2のスコアで勝利。

 自身の得点が呼び水となり、初優勝に王手を掛けたのに加え、試合後にはオシーが利用したワシントンメトロ(地下鉄やバスなど公共交通の運営会社)が、「スタンレーカップを勝ち取ったら、オシーをデザインした優勝記念スマートリップカード(SuicaやICOCAのような交通機関発行のICカード)を製作するつもりだ」と発表。

 3年前の7月にトレードになったあと、昨季終了をもってセントルイス時代に結んだ契約が満了。

 新たにワシントンと「年俸575万USドル(およそ6億3200万円=キャップヒット額)8年契約」の大型契約を結び、今季を迎えたあって、チームの大きな期待に応えるには、さらなるオシーの活躍が求められます。

 しかし、この日は地下鉄料金が38円足りずに改札で足止めになってしまったけれど、オシーにとって、いい一日になったようです。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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