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【神戸市灘区】かわいい、おいしいだけじゃない!小鳥の世界を深く味わえる「とりみカフェ ぽこの森」

くりあんぱん神戸の日常系webライター(神戸市)

灘区城内通にある「とりみカフェ ぽこの森」をご紹介します。2000年代の猫カフェが大流行し始めた時代、後の多様なペットブームに先駆け、インコや文鳥等の小鳥をテーマとして2007年にオープンしたお店です。その斬新なコンセプトと、小鳥の餌と体臭をモチーフにした「インコアイス」が鳥好きの間で話題沸騰となった当店、2010年8月に神戸に移転以来、この地で愛されながらほのぼのと営まれています。

二重扉になっており、鳴き声を参考に場所を探すことはできません。看板を目印にお入りください。

お店に入ってすぐ左側に大きなバードラン(小鳥たちが暮らしている空間)があり、その周りを囲むように席が用意されています。1名テーブル1席、2名テーブル2席、5名テーブル1席の計10席、広々とした家庭のリビングのような雰囲気の店舗です。着席時の視線から最も魅力的に小鳥の姿が見える高さにする、鳥の種類ごとに適切な太さの止まり木をバランスよく配置する等、小鳥たちとお客様の為に計算し尽くされたレイアウトになっています。

ラテアートやデザートソースアート、小鳥型をしたパンやクッキー等…商品そのものだけでなく、商品名にも「トリ」や「インコ」等のフレーズが入っていて、とてもユーモラスです。

鳥好きの間で伝説となったインコアイス(税込385円)も、他商品と合わせて楽しむことができます。

小鳥のかたちパフェ「セキセイインコ」(税込715円)を注文。パフェらしい華やかさと、スプーンやトッピングのインコに思わず頬が緩みます。土台の部分は果物とポン菓子、インコの好物をイメージしたレシピです。
冒頭で少し触れたようにインコには独特の体臭があり、ニッチな愛好家の間で「インコ臭」と呼ばれ愛されています。穀物のような香ばしさの奥に、バターのような脂っぽさと、僅かにドライフルーツのような甘さのあるにおいです。筆者はパフェを食べ進めていて、実家で飼っていたインコの、餌を食べて満足げに嘴(くちばし)を寄せてきた時や、頭をなでてあげた後指に残ったにおいを思い出しました。小鳥が好きであればある程深く味わえる品です。


鳥類がおなじみのペットとなり、今では直接手に乗せて触れ合える「インコカフェ」「ふくろうカフェ」等のお店も増えています。そんな中、バードランを外から眺める「とりみ(鳥見)」のスタイルを続けておられるのには、深い理由と思いがあります。

鳥はとても高い社会性を持つ生き物で、環境や相性はあるものの、「ぽこの森」のバードランのように異種多頭飼いが可能です。そして、単に「可能」なだけでなく、互いに関わりその環境ならではの「社会」を作っています。「ぽこの森」のバードランは、自然界や動物園のような単一種の群れ、家庭でペア飼育される環境、手乗りとして人間の家族の一員となる環境、どれとも違います。「鳥たちが高い社会性を持っている事を知って頂きたい、ここだけの、鳥同士の関わり方や人間との距離感を感じて頂きたい」という思いが込められた、「鳥カフェ」ではなく「鳥『見』カフェ」です。

どの小鳥も毛艶や体格が良いので、高品質の餌で大切に育てられているのかと思い伺うと「ごく一般的な餌です」と意外な答えが返ってきました。災害時など、満足な餌が手に入らなくても生きていけるよう、あえて普通のランクの餌を買い足す度にメーカーを変えて与えているそうです。また家庭で飼育されている子と比較して運動量が格段に多いこと、数種類の鳥たちが一緒に暮らしていることを考慮しブレンドを加えています。毛艶や体格が良い一番の理由を「多様性のある社会で暮らしていることだと思います。『いつもは仲間、ときどきライバル』な同種と関わるだけでなく、色も体格も異なる鳥が一緒にいる事で『自分磨き』のスイッチが入るようです」と教えて下さいました。


オーナー夫妻は鳥をはじめ生き物全般に関しての知識が本当に豊富で、トークも面白いです。たくさんのトリビアならぬ「鳥ビア」を聴かせて頂くことができました。初めて知る事、以前見聞きした知識のアップデートができた事、身近な課題として考えさせられる事、面白さのあまり爆笑、話の詳細な内容は忘れてしまった事など…とても実りある時間となりました。

本画像は「とりみカフェ ぽこの森」さんから提供して頂きました。
本画像は「とりみカフェ ぽこの森」さんから提供して頂きました。

退店のお会計時、商品代金の他にチャージ料220円がプラスされます。そして、お土産に「フォーチュンクッキー」を1個貰えます。小鳥目線で伝えられるメッセージをどうぞお楽しみに。


王子動物園から徒歩数分の所にある、もう1つのいきものスポット「とりみカフェ ぽこの森」。十分に時間を確保して満喫するのは勿論、王子動物園を出た後に利用し、動物園の小鳥たちとの違いを比べるのもお勧めです。ここでしか見ることのできない、愛らしくマイペースな小鳥たちの様子に癒されながら、ほのぼのと実りあるティータイムをお過ごしくださいね。

バードランの床にも鳥さんがいます。ぜひ覗いてみてくださいね。
バードランの床にも鳥さんがいます。ぜひ覗いてみてくださいね。

●とりみカフェ ぽこの森●
〒657-0836 兵庫県神戸市灘区城内通3丁目2−14 スパイスビル1階
営業時間 平日13:00~17:00 土日祝11:00~18:00
定休日 月曜日・火曜日
電話番号 078-805-6700
公式ホームページ とりみカフェ ぽこの森[大阪.今福鶴見→神戸市灘区の鳥カフェ・鳥見カフェ(小鳥を見ながらお茶が楽しめるカフェ)]

神戸の日常系webライター(神戸市)

神戸でささやかに暮らしている一市民。大好きな町神戸の魅力を、心地よい日常から拾い上げて大切にお届けしていきます。記事を通して皆様と「わくわく」「ほっこり」な気持ちを分かち合えたら嬉しいです。よろしくお願いします!

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