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藤井二冠「少しでも上にいけるようにがんばりたい」斎藤四段「実力不足を痛感」棋王戦2回戦終了後コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太二冠「(先手番で相掛かりの戦型を選び、23手目)▲9七角と出たあたりからちょっと見慣れない形になって。そのあとはずっと判断が難しいと思って指していました。途中駒得になって少し指せるかな、というふうに思ったんですけど。ただ、ちょっと最後まではっきり勝ちかどうかというのはわかってなかったです。棋王戦はこれまであまり上にいけていないので、厳しい戦いが続きますけど、少しでも上にいけるようにがんばりたいなと思います。(3回戦で対戦する)斎藤八段は一手一手丁寧に読みを入れられる印象がありますので、こちらもしっかり考えていい内容にできればと思います」

斎藤明日斗四段「(相掛かりで)▲9六歩で△1四歩の形はやってみたかった形だったんですけど。少し駒組が軽率で。早めに8筋の歩を切っておけば本譜のような筋はなかったので。そうですね、▲9七角を出られてから苦労の多い将棋になってしまいましたかね。(相手の選んだ)引き飛車をメインには研究できてなかったので。そのあたりでちょっと反省点かなと思います。(今期棋王戦は)予選からけっこう厳しい戦いが続いて。決勝で(宮田利男八段門下で兄弟子の)本田五段とやることになりまして。その一局はかなりいい内容の将棋が指せて。その勢いで本戦もいけたらな、とは思ってはいたんですけども。今回、実力不足を痛感した感じの内容となりました。来期はもっといい将棋を指せるようにがんばりたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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