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大谷翔平のトレードが実現した場合「移籍時点で30本塁打以上」は史上4人目。これまでの最多本数は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アダム・ダン April 4, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 トレード・デッドラインまで、残り10日を切っている。今年のデッドラインは、8月1日の午後6時(東部時間)だ。

 ロサンゼルス・エンジェルスが大谷翔平を放出するかどうかは、まだわからない。大谷は数ヵ月後にFAとなるが、エンジェルスは辛うじてポストシーズン進出の望みを残している。地区首位との差は7.5ゲーム、ワイルドカードの3番手とは4.5ゲーム差だ。

 デッドラインまでに、エンジェルスは7試合を行う。7月25日~27日にデトロイト・タイガースと3試合、28日~30日にトロント・ブルージェイズと3試合、31日にナ・リーグのアトランタ・ブレーブスと1試合だ。ブルージェイズは、ワイルドカードの3番手に位置している。

 もし、今年のデッドラインまでにチームを移った場合、大谷は、1996年のグレッグ・ボーン、1997年のマーク・マグワイア、2008年のアダム・ダンに続き、移籍の時点でシーズン30本塁打以上を記録していた、史上4人目の選手となる。

 これまでの3人は、1996年のボーンがミルウォーキー・ブルワーズで31本塁打(とサンディエゴ・パドレスで10本塁打)、1997年のマグワイアがオークランド・アスレティックスで34本塁打(とセントルイス・カーディナルスで24本塁打)、2008年のダンはシンシナティ・レッズで32本塁打(とアリゾナ・ダイヤモンドバックスで8本塁打)だ。

 今シーズン、大谷はすでに36本のホームランを打っている。この夏のトレードで動けば、マグワイアが保持している、移籍時点のシーズン本塁打記録を塗り替える。移籍の時点で40本塁打以上の可能性もある。

 なお、1996年のボーン、1997年のマグワイア、2008年のダンは、いずれも本塁打王を獲得していない。

 ボーンとマグワイアは、ア・リーグのチームからナ・リーグのチームへ移った。当時のブルワーズはア・リーグ中地区にいて、1998年からナ・リーグ中地区のチームとなった。

 ボーンは、31本塁打がア・リーグ20位、10本塁打がナ・リーグ71位タイ、計41本塁打は両リーグ11位タイ。マグワイアは、34本塁打がア・リーグ9位、24本塁打がナ・リーグ22位タイ、計58本塁打は両リーグ最多だ。各リーグの本塁打王は、56本塁打のケン・グリフィーJr.と49本塁打のラリー・ウォーカーが獲得した。

 ダンは、ナ・リーグのチームからナ・リーグのチームへ移籍した。計40本塁打はナ・リーグでも両リーグでも2位だった。上には、48本塁打のライアン・ハワードがいた。

 マグワイアと違い、ボーンとダンは、他のシーズンの本塁打王も皆無だ。ただ、ダンは、2004年から2008年まで5シーズン続けて40本以上のホームランを打ち、46本塁打の2004年を除き、2005年から2008年まで4シーズンとも同じ本数のホームラン、40本、40本、40本、40本を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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