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あと1勝で昇級決定の藤井聡太二冠(18)2月9日、B級2組10回戦で窪田義行七段(48)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月9日。東西の将棋会館にわかれてB級2組10回戦一斉対局がおこなわれます。

 昇級争いでトップを走る藤井聡太二冠(8勝0敗)は東京で窪田義行七段(4勝4敗)と対戦します。

 順位戦における藤井二冠の成績は、デビュー以来37勝1敗(勝率0.974)。空前にして、おそらくは絶後というべき驚異的な数字です。

 藤井二冠は前節9回戦、中村修九段に勝ちました。

 藤井二冠はあと1勝でB級1組への昇級が決まります。また他の上位陣が崩れて昇級が決まる可能性もあり、きわめて有利な状況であることは間違いありません。

 しかし順位戦の歴史を改めて眺めてみれば、昇級確実と見られた棋士が上がれなかったという例は、枚挙にいとまがありません。まだまだ何が起こるかはわかりません。

 窪田七段は前期不振のため、降級点を1つ持っています(降級点が2つで降級)。降級点は2期連続指し分け(5勝5敗)、あるいは1期勝ち越し(6勝4敗以上)で消すことができます。窪田七段にとってももちろん、本局は重要な一局です。

 藤井二冠と窪田七段はこれが初対戦となります。窪田七段は生粋の振り飛車党。まずはどこに飛車を振るのかが注目されます。

 登山が趣味の窪田七段。「峰王」(ほうおう)という非公式タイトル(?)を保持しています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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