台風5号 6日は九州に上陸のおそれ、長時間の暴風雨に警戒
台風5号は強い勢力を保ったまま、6日には九州に上陸する見通し。台風の動きが遅いため、九州や四国では猛烈な雨、風が長時間にわたって続くおそれがある。また、7日にかけて交通機関に影響がありそうだ。
6日は九州南部に上陸のおそれ
台風5号は今後も、ゆっくりとした速さで北上し、6日(日)朝に九州南部に接近、その後上陸する可能性が高くなっています。西日本では7日(月)にかけて大荒れの天気が予想され、交通機関への影響が長引くことが考えられます。
「ゆっくり」とは時速9キロ以下の速さをいい、移動している方向が不明な場合は「停滞」と表現します。つまり、「ゆっくり」と「停滞」は同じスピードです。
なぜ、動きが遅いのでしょう?
こちらは5日午前9時の上空約5800メートルの天気図です。
台風を取り囲むように高気圧が張り出し、上空の強い西風は日本海の北を流れています。台風を動かす風が弱いことがわかります。
この状況は特別なことではなく、8月上旬はこのような気象条件になりやすい。8月の台風は動きが遅く、進路が複雑になる場合が多いです。
動きの遅い台風の怖さは発達した雨雲が長時間にわたって同じ場所にかかり続けることです。過去には特別警報創設のきっかけとなった2011年台風12号があります。紀伊半島では一日で600ミリから800ミリの驚異的な雨が降りました。
九州南部で予想雨量1100ミリ
台風5号の発達した雨雲がかかる鹿児島県奄美市名瀬では、この24時間で500ミリを超える記録的な大雨になっています。さらに、台風を取り巻く湿った空気の影響で、西日本と東日本でも局地的に雨雲が発達していて、天気が急変しやすい状況です。
今後、雨雲はどのように広がるのでしょう。
台風の接近と北上で、6日は九州と四国の広い範囲で雨が激しくなり、7日にかけて西日本では大雨が続くでしょう。
5日午後6時から7日午後6時までに予想される雨量は九州南部の多いところで1100ミリ、四国で850ミリです。
とくに、鹿児島県、宮崎県、大分県、高知県、愛媛県、徳島県で大雨になりやすいと思います。
でも、過去似たようなコースをたどった台風を調べてみると、共通点が多い一方で、いつも同じ場所で大雨になるとは限らない。これまでの経験にとらわれずに、状況をしっかりと見極めることが大切です。
上記の内容は2017年8月5日午後4時半現在の情報に基づくものです。今後も台風の最新情報にお気をつけください。