亀田和毅「今までで1番重要な試合」正規王者バルガスと米国で統一戦
世界スーパーバンタム級暫定王者の亀田和毅(27)が、同級の正規王者レイ・バルガス(28)と王座統一戦で激突する。
試合はアメリカのロサンゼルスで7月中旬に行うと発表し、和毅にとって、アマ時代に唯一黒星を喫した相手とのリベンジマッチとなる。
この試合は、レイ・バルガスの「レイ」と、和毅の和「ワ」で「レイワ(令和)」対決となる。
唯一アマチュアで敗北した相手
和毅は父(史郎氏)のアドバイスで、15歳の時、単身メキシコに渡り、アマチュアのキャリアを積んでいった。
そして、メキシコで行われたアマチュアの大会で、今回対戦するバルガスと決勝戦で対戦し、敗れた経験がある。
そのため、今回の試合をかなり意識している。以前インタビューした際も、一番対戦したい候補として、バルガスの名前を挙げていた。
10年以上も前の事なので互いに成長し、スタイルも変わっているため、過去の対戦は参考にはならない。
負けている相手にリベンジしたい想いは強いだろう。
レイ・バルガスのボクシングスタイル
バルガスの戦績はプロでは負け無しで、32連勝(22KO)している。
ボクシングのスタイルは、172cm(リーチ179cm)の長身から放たれる、打ち下ろしのストレートが特徴的だ。
長身ながら、アグレッシブに攻めてくる。
長いリーチを活かし、中間距離から、フックやボディ、アッパーなど多彩なコンビネーションを放つ。
また、嵐のような連打で強打を打ち込んできて、メキシカンが得意とするボディ打ちも脅威だ。
非常に迫力があるボクシングをするが、攻撃重視の反面、打っている時の防御に隙ができるので、付け入るチャンスはあるだろう。
下半身の走り込み
今回は来るべき統一戦に向け、和歌山県の南紀白浜ゴルフ倶楽部で走り込み合宿を行っている。
ボクサーは試合が決まると、走り込みを中心とした合宿で、心肺機能と下半身強化を行う。
また、普段と違った環境でのトレーニングは、気分転換にもなる。
私もゴルフ場での走り込み合宿の経験があるが、芝の上を走るため、アスファルトと違い足を痛めにくい。
また、アップダウンがあるため、心肺機能を追い込み、スタミナ強化に最適だ。短期間で集中して、走りこむことは、試合に向けてのフィジカルの強化に繋がる。
また、きついトレーニングを乗り越えることで、それが試合での自信に繋がる。メンタル面での影響も大きい。
さらなるビックマッチに向けて
和毅は今回の試合について、「プロで38戦しているけど、今までの中で1番重要な試合。何がなんでも勝たないと」と意気込みを語った。
スーパーバンタム級でも、最も評価が高いバルガスに勝利すれば、和毅の評価も一気に上がるだろう。
この階級では、先日行われた試合で、WBA王者のダニエル・ローマン(アメリカ)が、IBF王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)を下し、タイトルの統一に成功した。
和毅が勝てば、タイトルの統一戦などの選択肢も広がる。
また、世界的に注目を集めるアメリカの舞台で勝利すれば、さらなるビックマッチにも繋がっていくだろう。
ここ最近は、タイトル獲得よりも誰に勝利したかが、選手の評価に繋がっていく。
そのため、これまでのキャリアの中でも、難敵をむかえ真価を問われる試合となる。
和毅は「今の時代はチャンピオン同士、名前がある選手同士の対決がもとめられているからね」とビックマッチへの構想も語ってくれた。
この試合に勝利して、更なる舞台へ駆け上がってほしい。