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【富田林市】なんと川の真ん中がへこんで水が流れる!川西大橋のすぐ上流にある欠田井堰の意外な動きとは

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野を源に流れる石川は、富田林に入ると井堰(いせき)と呼ばれるものが多く登場します。これは農業用水に必要な水を確保するために川の水をせき止めているもののようで、ミニダムが川の途中に数カ所あるようなイメージです。

そんな井堰のひとつが、川西大橋から上流方向を眺めていると見えます。

以前見たときは、真ん中が完全にへこんでいるので水が勢いよく流れていました。特にごく普通のことだと思ったので、その時は気にもしていませんでした。

ところが、後日見た時の井堰は全くへこんでおらず、水が堰止められていました。なんと堰の真ん中がへこむことで水の調整をしていたんですね。初めて知りました。

でもよく見ると水を止めている堰がゴムっぽく見えますね。調べるとゴム引布製起伏堰(ゴムひきぬのせいきふくぜき)と呼ばれるもので、ゴム製のチューブの中に水や空気を注入したり排出したりしてチューブを起伏させて調整しているとのこと。

支流の佐備川にもあった
支流の佐備川にもあった

1993年ごろに全国で2400ほどの施工例があるので、その業界の人にとっては当たり前のもののようです。ちなみにゴムチューブの寿命は30年以上あるそうです。

2024.5.26追記:地元の人からの情報によると、現在欠田井堰のチューブを調整する部分が故障中で修理が必要な状態になっているそうで、チューブによる水調整は行っていないとのこと。代わりに川からの取り口ゲートで調整しているそうです。チューブの寿命自体は長くても、万能ではないということですね。

(貴重な情報ありがとうございます)

井堰のすぐ近く、河川敷の上に建物が見えます。欠田井堰操作室です。ここで井堰の真ん中をへこましたりして水の量を調整していたのです。

こちらです。欠田井堰は、1997年2月に誕生したようです。幅が43メートルあり、堤の高さは1.34メートルあるとのこと。

河川敷を降りて井堰のすぐ近くに行ってみることにしました。

河川敷を降りると井堰のすぐ近くまで近づけるようです。

井堰の前に来ました。堰の上流(左)と下流(右)とでは水の量があまりにも違うのがわかりますね。

下流方向を見ると水がほとんどありません。ほんのわずか流れてはいますが、干上がった状態はシュールです。

堰の上流部分をみてみましょう。

下流方向には水がないのが一目瞭然です。

山の中にあるダムとはイメージが少し違いますが、明らかにせき止められて水が溜まっていることがわかります。

上流部分の水が溜まっているところに細い水路を発見、この水路が農業用水として農地のほうに向かうようです。

水路が続いています。

ずっと続いています。

井堰のせき止められたすぐ上流から流れる水路を見ると、井堰と水路のおかげで富田林の農業が盛んです。

なすときゅうりについては、大阪府でいちばんの生産量を誇っていると言っても過言ではない。そんなことを考えるひとときでした。

ということで、欠田井堰の様子を見てきました。井堰自体は欠田井堰の他にもいくつかありますが、水の調整が真ん中の部分をへこませるという意外な事実には驚きました。お時間のあるときにご近所の井堰で開閉状態の違いを見比べてみてはいかがでしょう。

欠田井堰

住所:大阪府富田林市彼方754-3

アクセス:近鉄川西駅から徒歩12分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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