ファンキーな「冷しカップ麺」の存在を知っていますか?大黒「冷しシリーズ」食べ比べ
大黒食品の夏の名物!「冷しシリーズ」3品
ここ最近は、夏になると湯戻し後に冷水で冷して食べる「冷しカップ麺」が各社から発売されます。「どん兵衛」や「赤いきつねと緑のたぬき」といった大ブランドがしのぎを削って商品展開するため、食べたことある人は多いのではないでしょうか。
「冷しカップ麺」の元祖的な存在なのが、今回レビューする大黒食品の「冷しシリーズ」。「どん兵衛」や「赤いきつね」が冷しカップ麺を出すずっと前から夏季限定で毎年発売されてきました。
カップ麺で「冷し」という類の見なさと、スーパーやドラッグストアで並ぶ嘘みたいな安価設定を見て、安かろう悪かろうと思って怖気ついた人も多いのではないでしょうか。この値上げのご時世の中でもなお、100円を切って店頭に並んでいることが多いです。
例年、「冷したぬきそば」というエース的な商品が発売されており、大量の揚げ玉と濃い醤油味のつゆ、そして油揚げ麺のお蕎麦の組み合わせはあまりにジャンキーと毎年話題になっていました。
今年発売されたのは「冷し中華」「冷やしうどん」「冷し担々麺」の3品。前2つは普通においしそうですが、「冷し担々麺」はちょっと身構えますよね。
中毒性のある不協和音!「冷し中華」
まずは「冷し中華」。全国的に「冷し中華始めました」でおなじみの、「夏の麺」どころか、その親カテゴリである「夏」の風物詩です。しかしカップ麺ではそれほど発売例がなく、最近はヤマダイ「凄麺」シリーズからも発売されていますが、それ以前は大黒食品以外の「冷し中華」をあまり見かけることはありませんでした。
酸味をリンゴ酢で、甘みをハチミツでつけた醤油味のたれに、湯切りをした後に2~3回冷水を入れて捨てるを繰り返した中細で縮れのついた油揚げ麺と、たまご、きざみのり、ごまの入ったかやくを組み合わせています。
まず見た目で、冷し中華というより「のりたまふりかけ」ラーメンでは?と思ってしまいます。実際にのりたまふりかけのパッケージを見ると、裏面にアレンジ料理としてのりたまパスタみたいなのが載っていたりしますが、それを無骨にインスタント麺でやった感じに見えます。
味で印象に残ったのはリンゴ酢の酸味と油揚げ麺の不協和音で、最初ひとくち食べた時は、あまりの違和感に眉間にシワが。首を傾げなら食べ続けていくうちに、決して美味しいと思ったわけではないのに、なぜか箸が止まらなくなりました。のりたまふりかけに中毒性のある不協和音、クセが強いです。
まごうことなき正統派!「冷しうどん」
続いては「冷しうどん」。例年だと「冷したぬきうどん」という揚げ玉と七味で食べる冷しうどんが出ており、これがなかなかジャンキーな味でしたが、今年はただの「冷しうどん」となっており、正統派な雰囲気が漂います。
鰹や昆布といった和風だしを効かせた醤油味のめんつゆに、冷水を通して冷した縮れの強い油揚げ麺のうどんと、わかめ、ネギ、ピンク色の揚げ玉が合わせられています。和風だしのつゆと油揚げ麺の相性は抜群で、まさしく正統派な「冷しうどん」の味でした。
具もわかめと揚げ玉、ネギという正統派。わかめの磯風味も揚げ玉の香ばしさも和風だしつゆの風味を高めており、効果的でした。ツッコミどころがあるとすれば、揚げ玉がピンクですが多分エビは入っていないということくらいでしょうか。普通に美味しいですが、ネタとしては他2品より弱いかもしれませんね。
ファンキーな魅力「冷し担々麺」
最後に「冷し担々麺」。お店のメニューではたまに見かけますが、カップ麺では大黒食品の商品以外で見たことがなく、どんな味なのかあまり想像もつかないように思います。変わり種の冷し中華がごまだれを使っていることがあるので、それに近い味でしょうか。
練りごまを効かせた味噌味ベースの担々麺だれに、おそらく先ほどの「冷し中華」と同じと思われる中細で縮れのついた油揚げ麺と、ネギが合わせられています。
お店の担々麺だと、隠し味でお酢が入っていたりして、ちょっとしたアクセントや辛味をまろやかにする効果がありますが、今回はまったく隠れていないレベルで酸味が効いています。
辛味やシビレ、さらには味噌味のちょっと強めの塩気がそれぞれが自己主張。さらには「冷し中華」と同じく酸味と油揚げ麺の味が不協和音まで奏でてしまい、軽いカオス状態。これはなかなかのファンキーぶりです。
「冷し中華」がのりたまふりかけのような具、「冷しうどん」が豪華にわかめとピンクの揚げ玉を使っていたのに比べ、「冷し担々麺」の具はネギのみという無骨ぶり。せめて担々麺らしいチンゲン菜ならまだわかるのですが、多めのネギのゴリ押し。ネギの風味もカオス状態に拍車をかけていました。
三者三様の魅力
酸味と油揚げ麺の不況和音がなぜかクセになる「冷し中華」、和風だしとわかめ・揚げ玉が好相性の「冷しうどん」、そしてファンキーな魅力あふれる「冷し中華」と、三者三様の魅力がありました。
無難にいくなら「冷しうどん」、冒険するなら「冷し中華」、敢えて修羅の道を進むなら「冷し担々麺」ですが、いずれも安いので3つとも食べるのをオススメしたいです。
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