糖尿病にはどんな症状があるの?〜低血糖編〜【いまさら聞けない糖尿病について、理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
糖尿病の症状とは
糖尿病の症状は、血糖値が高いとき(高血糖状態)と血糖値が低いとき(低血糖状態)で異なります。
高血糖に関することと、それに伴う合併症については解説してきましたね。
血糖値が高すぎるのはダメ!と伝えてきましたが、実は低すぎてもダメ!
血糖値のコントロールって難しい・・・と思いながらも、本記事では血糖値が低くなる低血糖について解説していきます。
低血糖とは
低血糖症状は糖尿病の治療としてお薬を使っている方に、高頻度で起こることがあります。
血糖値を基準としており、70mg/dL以下になると、低血糖と呼ばれます。
一般的に、血糖値が70mg/dL以下になると、人の身体は危機を感じます。さらに血糖値が低くなり50mg/dL未満になると、脳などの重要な部分がエネルギー不足となります。
脳のエネルギー源は糖分なので、血液中の糖分が少ない状態(=低血糖)は危機的状況となります。
血糖値が下がっていることに身体が気付くと血糖値をあげようとします。そのときに見られる症状を低血糖症状と呼びます。
人によっては血糖値が下がっていても低血糖症状がみられないこともあるので、正確な判断をするには血糖値を測ることが大切です。
低血糖症状
軽度の場合
- 発汗(冷や汗)
- 手足のふるえ
- 失神
- 動悸
- 空腹
- 悪心
- 熱感
- 倦怠感
重度の場合
- めまい
- 疲労感
- 筋力低下
- 頭痛
- 集中力の欠如
- 錯乱
- 呂律困難
- かすみ目
- けいれん発作
- 昏睡
低血糖の診断
- 低血糖症状の有無に関わらず、血糖値が70mg/dLより低い
- 血糖値が70mg/dLより高くても、低血糖症状がある
上記の場合に、低血糖であると判断されます。
糖尿病の治療薬の中には、低血糖を起こしやすいものと、そうでないものがあるので、使用しているお薬が低血糖を起こしやすいかどうか、確認しておきましょう。
低血糖の原因
低血糖になる原因は、いくつか考えられます。
- 食事の量や炭水化物の不足
- 糖尿病治療薬を使ってから食事を摂るまでに時間があいた
- 運動量が多い
- 運動時間が長い
- 空腹状態での運動をした
- インスリン注射や内服薬の量を間違えた(多かった)
- 飲酒
- 入浴
などの状況が、糖尿病患者さんの身体状況と重なったときに低血糖を起こしやすいといわれています。
低血糖症状がみられたときの対策
症状を感じたら、すぐにブドウ糖や砂糖の含まれる飴や飲み物を摂取し、安静にしましょう。
軽症の場合、速やかに症状が軽快しますが、15分以上経過しても症状が改善しない場合には、同じものを続けて摂取してみましょう。
意識が朦朧としている糖尿病患者さんに気付いたら、無理に口に食べ物や飲み物を入れると誤嚥してしまうリスクが高くなるため、歯茎に糖分を含んだ飲み物を擦り付けて、救急車を呼びましょう。
まとめ
糖尿病と聞くと血糖値が高いことをイメージすることが多いと思いますが、血糖値を一定にコントロールすることが難しいため、血糖値が下がりすぎてしまうこともよくあります。
低血糖症状は、早く気付くことができれば病院へかからなくても対応可能な場合があるため、いつでも対応できるようにブドウ糖を持ち歩くなどの準備をしておくことが大切です。
日頃から食生活や運動習慣の見直しを行い、血糖コントロールを意識した生活を心がけていただけたらうれしいです。