雪に慣れていない地域でも、積雪後、屋根の軒下に近づかないとまわりに伝えて 落雪で死者やクルマの損壊も
軒下からの落雪に注意
雪に慣れた地域では当然知られている現象ですが、慣れていない地域に豪雪があった場合に、気にしてほしいのが落雪です。
タイトル写真は、2014年(平成26年)豪雪災害の埼玉県で落雪により損壊したクルマです。
この時の豪雪は、気象庁の発達した低気圧による大雪・暴風雪平成26年(2014年)2月14日~2月19日(速報)によると、18地点で観測史上1位になるなど、雪に慣れていない地域にも影響をもたらしていました。
埼玉県庁 大雪庁内検証委員会報告書によると、住家の建物被害は、半壊1件、一部損壊が9件と、被害が格段に多いという訳ではないにもかかわらず、お亡くなりになった方が3名もいて、そのうちの2名が屋根からの落雪による下敷きが原因でした。
落雪でクルマのフロントガラスまで割れる威力
落雪の威力は、写真のクルマでわかるように、上も凹んでいますし、屋根からの落雪でフロントガラスが破損しています。
フロントガラスといえば、耐衝撃性能が高く、車外脱出ツールでも割ることができない合わせガラスなので、雪の落下の衝撃の強さを物語っています。
このクルマの持ち主である齋藤朝子さんの家の屋根には、ソーラーパネルが設置してあり、その上に積もった雪がまるで板のように落下してきたとのことでした。落下の瞬間は、ドーンと音が響き、あたりが真っ白になったそうです。
実は、落下の直前の写真も撮影されていました。それが、こちら。
こどもたちは、クルマの近くで雪遊びをしていたのです。雪がたくさん降るとこどもは遊びたくなりますよね。でも、雪に慣れていない地域であっても、屋根からの落雪の危険は伝えておかなければという教訓を伝えてくれる写真です。こどもたちにケガもなく何よりでした。
片持ちカーポートの損壊
また、この地域では、片持ちカーポートが雪の重さに耐えきれず破損したため、クルマの損壊が起こったケースが複数あった事を私も目で見て確認しました。
雪が降った後は、軒下には近づかない、大雪となる前に、軒下や片持ちカーポートからクルマを移動する、そんな教訓が被災した地域では今も語り継がれています。
雪に慣れていない地域こそ教訓の伝承を
これらの対策は雪に慣れている地域では、語り継がれているものですが、慣れていないとなかなか気づきません。雪害の報道を見て、他人事と思わず、わがことに置きかえて、こどもたちやまわりの方に伝えていただければと思います。