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微笑みうつ病のセルフ「チェック」!当てはまる『特徴』とは!?

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

私は普段、精神科での外来を行い、インスタやvoicyにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)

内面ではうつの症状を抱えていても、周りから見ると元気そうに見える人のことを『微笑みうつ病』と呼んでいます。微笑みうつ病は正式な病名ではありませんが、実はこのような方は非常に多いと考えています。

また、微笑みうつ病は会社や人前では普通に振る舞うことができるため、自分でも症状に気付きにくいです。

病気に気付かずに過ごしているとうつの症状が深刻化してしまう可能性があるので、早めに自分の症状について自覚し、早期治療を始めることはとても大切なことです。

今回は、微笑みうつ病のセルフ診断チェックリストと主な特徴、周りに微笑みうつ病の人がいた場合の接し方について詳しく紹介していきます。

微笑みうつ病のセルフ診断チェックリスト

微笑みうつ病かどうかを判断するには、さまざまなポイントがあります。

以下に複数当てはまる場合は、微笑みうつ病の可能性があるのでチェックしてみましょう。

  1. 仕事や予定がある日になかなか起床できない
  2. 落ち込んでいる姿を他人に見せることがない
  3. 一人のときと他人といるときの差が激しい
  4. 感情的になれない、常に虚無感がある
  5. 休日は何もやる気が起きない
  6. 趣味や好きなものに対して関心が薄くなった
  7. どんな出来事に対しても自分が悪いと思ってしまう

微笑みうつ病の主な特徴は?

微笑みうつ病の自己診断チェックリストに何項目当てはまりましたか?

ここでは、チェックリストの項目を詳しく見ていきましょう。

仕事や予定がある日になかなか起床できない

予定がある日に起床して身支度をするのが億劫に感じる人は要注意。

すっきりと目覚めることができず、布団の中からなかなか出ることができない状態を2〜3週間繰り返しているのであれば、微笑みうつ病を疑った方が良いでしょう。

起床や身支度をすることに憂鬱な気持ちになったとしても、予定の場所や会社に着くといつも通りに動けるという人も微笑みうつ病の可能性があります。

落ち込んでいる姿を他人に見せることがない

微笑みうつ病の特徴として、プライベートで悲しい出来事が起きたり仕事でのトラブルで落ち込んでいたとしても、周りの人に悟られないように普段通りに過ごすことができます。

周りの人に自分の心の内を打ち明けることができないため、表面上からは見えなくても、鬱々とした気分が続いているという人もいます。

たとえ大きな問題を抱え込んでいても、周囲の人に助けを求めることを避けようとする傾向があります。

一人のときと他人といるときの差が激しい

微笑みうつ病の大きな特徴として、「他人といるときは元気に振る舞えるのに、一人になると気分が落ち込んでしまう」というものがあります。

微笑みうつ病の患者さんは、周囲からどんな風に見られているのかを気にする傾向があり、良い自分を見せようとして明るく振る舞おうとするので、実はとても無理をしている状態です。

その反動により、一人になったときに気分が大きく落ち込んでしまったり塞ぎ込んでしまうことがあるのです。

人と会ったあとに糸が切れたように何もできなくなってしまうことや、気分の落ち込みが続く場合は微笑みうつ病の可能性があるでしょう。

感情的になれない、常に虚無感がある

喜怒哀楽などの感情が前よりも薄くなった、虚無感を常に抱えているといった症状はありませんか?

自分の感情を周りに見せないように常にバリアを張った状態で過ごしているので、本当の感情が自分でも分からなくなってしまうことがあります。

音楽を聴いたり本を読んでも感情が動かない、何をしていても虚無感がある、心から笑えている気がしないなどの精神的な症状がある場合は、微笑みうつ病になっているかもしれません。

休日は何もやる気が起きない

休日になっても元気が出ず、何もやる気が起きない人は微笑みうつ病の可能性があるので要注意です。

微笑みうつ病の患者さんは、常に「普通の自分」でいようと無理をしているので、休日になった途端にぷつりと何もする気が起きなくなってしまう人が多い傾向があります。

友達と出かける約束をしていても億劫に感じてしまったり、直前まで悩んだ挙句ドタキャンしてしまうというケースも。

家にいても気力が湧かず、布団の中で一日を過ごすなど、食生活や睡眠時間が乱れていることも少なくありません。

趣味や好きなものに対して関心が薄くなった

微笑みうつ病になると、趣味や好きなものに対して関心や意欲が薄くなる人もいます。

趣味を楽しんでいてもどこか冷めたような感情になってしまったり、好きなものに対して興味が湧かなくなってしまうなどといったことはありませんか?

また、新しい物事に挑戦する意欲も減退しているので、流行りものや他人から勧められたものにも興味を示さなくなる人もいます。

どんな出来事に対しても自分が悪いと思ってしまう

微笑みうつ病の患者さんは、自分の感情に蓋をしている人が多いので、自分の意見を押し通すよりも他人の意見を優先する傾向があります。

そして、何かトラブルが起きると他人を疑うよりも先に自分が悪いのではないかと思い込んでしまうため、自己否定の気持ちがとても強いです。

些細な出来事にも自分が全て悪い、自分が謝ればその場は収まるというような考えを持っている人は注意した方が良いでしょう。

微笑みうつ病の人が周りにいた場合の接し方は?

余計なことを言わない

微笑みうつ病の患者さんに対して、「どういう言葉をかけていいのか分からない」「どう接するのが正解なのか分からない」という人は沢山いると思います。

そのような場合は、まずは「自分が支えなければならない」という考えは捨てて、そっと見守ってあげることから始めてみてください。

励ますような言葉を無理に投げかけても、余計に落ち込ませてしまう可能性があります。

気の利いたことを言わなくても、一緒にいるだけでも心が落ち着くこともあるはずです。

もしも、話を聞いて欲しいような素振りがあればじっと耳を傾けましょう。

遠くからサポートする

微笑みうつ病の人は、自分の心の内側を周りに見せないように振る舞うため、「何に困っているのか」「何の問題を抱え込んでいるのか」が非常にわかりにくいです。

しかし、一緒にいる時間を増やしたり、よく観察してみると何に困っているのか分かるときもあるはず。

直接手を貸すと負担になってしまう場合もあるので、自分のできそうなことを探して遠くからサポートしてみると良いかもしれません。

安心するような声かけをする

微笑みうつ病の人に対して、急かすような言葉や過度に元気づけるような言葉はなるべく控えましょう。

「いつでも話を聞くよ」「何か手伝えることがあったら遠慮なく言ってね」というような柔らかい言葉の方が負担にならないでしょう。

また、「休むことは悪いことじゃないよ」などといった穏やかな言葉も微笑みうつ病の人にとっては安心するはずです。

無理に外に連れ出さない

微笑みうつ病の人が気乗りしていないときに、無理に遊びに連れ出すのは禁物です。

「美味しいものを食べてたくさん喋れば元気になるはず」という考えは、うつ病の人にとって押し付けや強制になりとても苦痛に感じてしまいます。

微笑みうつ病の人は人前では明るい自分でいようとするので、かえって息抜きすることができず、症状が重くなってしまう恐れもあるので無理に外に連れて行こうとしない方が良いでしょう。

本人のやれることを自分のペースでさせることが大切です。

まとめ

微笑みうつ病の自己診断チェックリストと微笑みうつ病の人が周りにいた場合の接し方について紹介しました。

微笑みうつ病は、「笑顔」を作って明るい自分でいようと無理をしているので、知らない間にうつの症状が少しずつ進行してしまう可能性があります。

無理をしていると最悪のケースを招く恐れがあるので、一人で抱え込まずに勇気を出してお医者さんに相談してくださいね。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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