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HSPは要注意!「適応障害」のサインと自分でできる基本的な対策について解説

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

新年度が始まりましたが、HSPさんはいかがお過ごしでしょうか?

春は新しい環境の変化や朝晩の寒暖差などにより、知らない内に疲れがたまりやすい時季でもあります。

「職場や学校に早く馴染まないと!」と頭では理解していながらも、感情的には「つらい」「苦しい」「受け入れられない」などと相反する状態に陥り、ストレスを抱え込んでしまい「適応障害」と診断されてしまうことも…。

しかし、特別な症状が表れない限り、自分では気がつかないことも多いため、家族や周りの方が異変に気づいてあげることが求められます。

では、適応障害を防ぐために、体が発する症状や異変に気づくためには、どのような点に気をつけて過ごしたら良いのでしょうか?

自分で気づくサインと周囲が気づくサインとは?

適応障害は明確なストレス原因から3ヶ月以内に症状が表れ、日常生活に支障をきたしている場合に診断されます。

確立された治療法はありませんが、ストレッサー(ストレスの原因となるもの)から離れる、休息を取る、薬物療法、精神療法などで改善していくなどの方法が取られます。

しかし、多くのストレスにさらされていると、直接の原因が何かはすぐに分からないことも多く、本人の気持ちをじっくり聞いた上で、ストレスの原因を特定できるよう努めることが大切です。

周囲にできることとしては、まずは本人にストレスフルの状態であることを自覚してもらい、解消できるよう手助けをしていくことが求められます。

では、適応障害を発症した際に自分から気づけるサインと周囲が気づきやすいサインについて考えてみたいと思います。

<自分で気づくサイン>
・抑うつ症状
気分が落ち込んで、何もやる気がせず集中力や判断力が低下します。
・食欲が減る
食べたいという気力が湧かず、体重が減少します。
・疲れやすくなる
睡眠を取っていても体が重かったり、だるかったりで日中のパフォーマンスを低下させます。
・自分を責める
イライラしたり、焦ったりして落ち着きがなくなり、自分を責めてしまいます。
<周囲が気づくサイン>
・以前に比べて表情が暗い
表情が暗く元気がないなど、表面に表れることがあります。
・落ち着きがなくなった
ソワソワと落ち着きのない言動をとることが増えます。
・攻撃的な態度を取るようになる
普段の性格とは違って、無謀で攻撃的となり他人に当たるような言動が増えることがあります。
・能率が低下した
仕事や勉強、家事をする上でミスが増えることがあるため、周りから見ていると気づきやすいと言えます。

「適応障害」を防ぐためにできる自分でできる対策とは?

HSPさんの多くはゴロゴロしながら、何もせずにゆっくりと休むことが苦手な傾向があるのではないでしょうか。

時間に余裕ができると、「あれをしなれば、これもやらなければ…」と思いつめ、なかなか心身が休まる機会がありません。

適応障害は精神的・肉体的に追い詰められた結果として発症するため、診断を受けたらあれこれと考えず、「休む」ことが回復への近道になります。

・睡眠対策

どんな病でも防ぐためには「質の良い睡眠」を取ることがカギとなります。

一説によると、体内時計のサイクルは24時間よりもわずかに10分ほど長いと言われており、意識して生活リズムを整えないと少しずつリズムが乱れることになるそうです。

朝起きたら太陽を浴び、規則正しく食事を摂ることで、体内時計を整え質の良い睡眠につなげることができます。

・運動不足対策

日々、軽い運動を心がけることはストレス解消に効果的だと言われています。

まずは笑顔で会話をしながら歩ける程度の、負担の少ないウォーキングから始め、徐々にジョギングなどに移行していくことをオススメします。

自分が出来るペースで無理なく続けることがポイントです。

気持ちの切り替えでストレス反応に対応する

適応障害は特定のストレスが原因となって発症することがあるのですが、ストレスへの対応策として、普段の生活とは違った「別世界」を作ることで、日常のストレスから解放され、自然と心身がリラックスして心地よさを感じることができるようになる場合があります。

また、別世界で新しい人間関係を構築できれば、気分転換にもなり自分が認められているといった自己肯定感を上げる効果も期待できます。

別世界の主な例としては以下の通りです。

・サークルに入る
・習い事を始める
・アロマオイルを焚いてみる
・趣味を楽しむ
・コンサートやライブ、イベントに足を運ぶ
・旅行してみる

まとめ

新しい環境が始まって、まだそんなに経っていないこともあり、今の状況が苦しいという方も多いのではないかと思います。

何事も焦らず、一日一日を自分のペースでこなしていれば、時間と経験が解決してくれることもあります。

無理せず、しっかりと休息を取って、この時季を乗り越えましょう。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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