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歩道が走れる電動キックボードは、車道から歩道に避難できるベストな電動キックボードとなるか

武者良太ガジェットライター
傾斜がつき排水溝がある車道より、歩道のほうが走りやすいともいえる電動キックボード(写真:REX/アフロ)

3月4日、道路交通法の一部改正案が閣議決定されました。この改正案に盛り込まれたのは、最高速度20km/h以下の電動キックボードをはじめとしたルールの制定。新たな議題として通常国会で成立すれば、近いうちに16歳以上であれば免許なしでも運転できる電動キックボードに乗れるようになります。

なおヘルメットは着用努力義務となり、装着していなくても罰則はありません。最高速度6km/h以下の走行モードであれば、自転車通行可能な歩道など一部歩道も走れるようになります。

従来、日本で販売されていた電動キックボードは最高速60km/h以下の原付二種枠の車両、最高速30km/h以下の原付一種枠の車両、そして歩道を含めた公道走行ができない車両となっていました。

新たなルールは、公道走行ができない電動キックボードを合法化するものとなるでしょう。

時速30km/hで走れる電動キックボードはどうなる?

筆者自身、国産メーカーの原付一種扱いとなる電動キックボードを所持しています。数駅先の商店街までの買い物をする際に活用しています。

道路交通法が改正して、20km/h以下で歩道が走れる電動キックボードが登場したら、真っ先に買い換えるだろうと考えています。

その大きな理由は、最高速度6km/h以下とはいえ歩道が走れるということ。

電動キックボードは極めて小さなホイール・タイヤを用います。小径ホイールを用いた乗り物ゆえ、スクーターや自転車なら難なく走れる平坦に見える道路であっても、僅かなヒビや段差、排水のためについた傾斜によってハンドルがとられますし、跳ねます。はっきりいって、電動キックボードは30km/hといった速度域での走行に適した乗り物ではありません。

もし幹線道路など交通量の多い場所で運転しているときに、路面の影響でハンドルがとられてしまったとしたら、隣を走っている車の運転手はどう思うでしょうか。重大な事故につながるかも、と考えてしまうのが自然でしょう。

それならば、幹線道路を走行するときは6km/h以下であっても自転車通行可能な歩道を移動できるようになったほうがいい。危険を感じたときに歩道に避難できるほうがいい。そのほうが安全だと考えられますし、数キロ圏内を移動する目的で購入する層にとっては、そもそも30km/hが出せる動力性能を必要としないでしょう。

もちろんパワフルな乗り物を求める層がいるのは確かです。しかし市場の流れとしては、20km/h以下で歩道が走れる電動キックボードにシフトしていくものと考えられます。

ガジェットライター

むしゃりょうた/Ryota Musha。1971年生まれ。埼玉県出身。1989年よりパソコン雑誌、ゲーム雑誌でライター活動を開始。現在はIT、AI、VR、デジタルガジェットの記事執筆が中心。元Kotaku Japan編集長。Facebook「WEBライター」グループ主宰。

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