KAN 亡くなってからのサブスク音楽解禁の意味は?
KNNポール神田です。
KANさんのストリーミング解禁にエールを贈りたいと思います。
できることならば、生前にもっとみなさんに聞いていただきたかった…。
KAN iTunes
https://music.apple.com/jp/artist/kan/193503514
KAN YouTube Music
https://music.youtube.com/channel/UCSylVuUY-dqbINq-KBZmjKA
公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCB-MAg09TKnDv7shND16ghg
■61歳で死去したKANさんの『愛は勝つ』サブスク解禁 過去の未配信楽曲も年内に順次解禁
メジャーなストリーミングサービスでKANの楽曲を聞くことができ、故人を偲ぶことができるようになった。
KANがストリーミング配信を開始したのはつい最近の2023年11月3日からだった。 #ヨロシクサブシュク
2023年11月3日(金)
サブスクについて
「よくわかってないこともあってか、なんとな~くのままになっていた」というKAN。
このリリースの10日後 2023年11月12日(日)に61歳で永眠
2023年3月には、2万人に一人の『メッケル憩室がん』を患っていることを公表
していた。
https://www.kimurakan.com/kanban/113.php
2023年11月7日
最後のX.comへのpostは、大好きだったThe Beatlesについてだった…。
https://twitter.com/_kimuraKAN/status/1721676818594607424
書き尽くせないほどの想いとともに、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンの元へ旅立たれたことでしょう。ポールやリンゴよりも先に…。
■音楽サブスクの問題点は、CDよりも安い印税
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1483891.html
ストリーミングの場合、1曲当たりの印税がCD販売よりも低い。
さらに、聴取回数に応じて印税が発生するモデルである。
SpotifyやApple Musicなど主要サービスの場合、1回の聴取につきアーティストやレーベル全体への支払いは推定0.3〜0.5円程度といわれている。
100万回再生されると、30〜50万円となる。
そして、CD販売の場合、販売個数に応じて印税が発生する。印税率はCD1枚当たりの価格の10〜15%程度。CD1枚売れるごとにアーティストやレーベルへの印税支払いが発生する。
CDシングルが1,000円とすると、1枚あたり100〜150円 アルバム3,000円だと、300〜450円が、印税としてレコード会社などに入り、アーティストは契約に応じた分配をもらう。
シングルが100万枚のミリオンセラーで売れると、1億円〜1.5億円からの印税分配となる。アルバムがミリオンだと、3億〜4.5億円となる。
圧倒的にCDの方が印税は多かった。しかし、現在サブスクが圧倒的な音楽業界においては、フィジカルなCDのミリオンセラーがほとんど生まれづらい状況にある。問題は音楽産業全体の市場も横ばいシュリンクしていることだ。
アーティストらが30万円の印税を得るのに100万回再生が必要であり、CDシングルだと3000枚、CDアルバムだと、1,000枚が必要だ。
サブスク登録に関する損益分岐点はCDシングル3,000枚 CDアルバム1000枚程度とも言えるのではないだろうか?
■2022年のセールス結果 オリコン年間ランキング
ちなみに、日本国内で100万枚を超えたシングルは、2022年1位はKing & Prince『ツキヨミ/彩り』のみで107.5万枚だった。
アルバムでは1位Snow Man 『Snow Labo. S2』で98万枚。ユーミンの50周年記念ベストでも8位で38万枚だった。山下達郎の『SOFTLY』で26万枚というセールスだ。
デジタルシングルは、1位のAimer『残響散歌』で40万ダウンロード。
デジタルアルバムとなると、1位のAdo『ウタの歌』でも10万ダウンロード、
ストリーミングランキング1位がTani Yuuki『W/X/Y』が3.1億再生回数だった。
そう考えると、サブスクを含めても音楽業界全体が、耳目を他のメディアに奪われていることが理解できる。
山下達郎氏らのサブスクを否定するのではないが、自分では絶対にやらないというアーティストから、安室奈美恵氏らのサブスクから撤退というアーティストもいる。
KANさんのように自分の作品を、おそらく、遺族のために、死後はサブスクに委ねるという判断もわかるような気がしてきた…。