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新型コロナ 世界と日本の流行状況(2021年1月)

忽那賢志感染症専門医
(提供:PantherMedia/イメージマート)

新型コロナウイルス感染症の流行は現在も衰える気配はなく世界的に拡大しています。

現在の世界と日本の流行状況をまとめました。

世界における新型コロナの流行状況は?

世界における新型コロナ患者数の推移 Weekly Epidemiological Update Coronavirus disease 2019 (COVID-19) 5 January 2021より
世界における新型コロナ患者数の推移 Weekly Epidemiological Update Coronavirus disease 2019 (COVID-19) 5 January 2021より

2021年1月9日時点での世界における新型コロナ患者は、

感染者数:8810万人

死亡者数:191万人

致死率:2.1%

John Hopkins Coronavirus Resource Center

となっています。

世界で最初に報告された新型コロナ症例から、1,000万症例に到達するまで177日かかっていますが、そこからは症例増加ペースは加速しており、

【世界における新型コロナ感染者数 増加までの日数】

1例〜1000万例まで:177日

1,000万例〜2,000万例まで:44日

2,000万例~3,000万例まで:37日

3,000万例~4,000万例まで:31日

4,000万例~5,000万例まで:21日

5,000万例〜6,000万例まで:17日

6,000万例〜7,000万例まで:17日

7000万例~8000万例まで:16日

John Hopkins Coronavirus Resource Center

とだんだんと感染者が1000万人増えるまでの期間が短くなってきています。

また、最初に報告された死亡者から、115日で25万人に達していますが、それ以降は、

【世界における新型コロナ死亡者数 増加までの日数】

1例〜25万例まで:115日

25万例~50万例まで:56日

50万例~75万例まで:46日

75万例~100万例まで:45日

100万例〜125万例まで:40日

125万例~150万例まで:26日

150万例~175万例まで:23日

John Hopkins Coronavirus Resource Center

とだんだんと死亡者数の増加ペースも速くなっています。

新型コロナが流行している国や地域は?

世界における新型コロナの流行状況 Weekly Epidemiological Update Coronavirus disease 2019 (COVID-19) 5 January 2021より
世界における新型コロナの流行状況 Weekly Epidemiological Update Coronavirus disease 2019 (COVID-19) 5 January 2021より

現在、特に新型コロナが流行しているのは、北アメリカ大陸、ヨーロッパ、南アメリカ大陸です。

アジア地域は、これらの地域と比較すると相対的には感染者数が少なくなっています。

世界各国の新型コロナ感染者数と死亡者数の比較 worldometerより
世界各国の新型コロナ感染者数と死亡者数の比較 worldometerより

現在、感染者数が最も多いのはアメリカ合衆国で2200万人の感染者と38万人の死亡者が報告されています。

2018-2019シーズンのアメリカ合衆国におけるインフルエンザの死亡者数は34000人と推計されており、1年間における新型コロナによる死亡者数は10倍となっています。

日本でも「新型コロナの死亡者数はインフルエンザの死亡者数よりも少ないから脅威ではない」と言った意見が散見されますが、これは単に日本国内の感染者数が低く抑えられているためであり、もし欧米並みの流行になれば死亡者数もインフルエンザを大きく上回ることは容易に想像されます。

日本における流行状況は?

日本における新型コロナの新規報告者数 厚生労働省「国内の発生状況など」より
日本における新型コロナの新規報告者数 厚生労働省「国内の発生状況など」より

2021年1月8日時点での日本国内での新型コロナの報告数は、

感染者数:265,299人

死亡者数:3,857人

致死率:1.5%

厚生労働省「国内の発生状況など」

日本で最初に新型コロナ症例が報告されたのは2020年1月16日ですが、

【日本における新型コロナ感染者数 増加までの日数】

1例〜5万例まで:212日

5万例〜10万例まで:76日

10万例〜15万例まで:32日

15万例〜20万例まで:20日

20万例〜25万例まで:15日

厚生労働省 オープンデータより

とだんだんと感染者数が5万人増えるまでの期間が短くなってきています。

また、日本で最初に報告された死亡者が報告された2月13日から、166日で1000人に達していますが、それ以降は、

【日本における新型コロナ死亡者数 増加までの日数】

1例〜1000例まで:166日

1000例~2000例まで:101日

2000例~3000例まで:29日

厚生労働省 オープンデータより

とだんだんと死亡者数の増加ペースも速くなっています。

新型コロナが流行している都道府県は?

日本国内の都道府県別の新型コロナ新規感染者数 Yahoo!JAPAN 新型コロナウイルス感染症まとめ
日本国内の都道府県別の新型コロナ新規感染者数 Yahoo!JAPAN 新型コロナウイルス感染症まとめ

現在、日本国内で特に新型コロナが流行しているのは、東京都を中心とした関東圏、大阪府を中心とした関西圏、北海道、福岡、熊本です。

日本国内の都道府県における新型コロナ感染者数と死亡者数の比較 esriジャパン 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 対応支援サイト より
日本国内の都道府県における新型コロナ感染者数と死亡者数の比較 esriジャパン 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 対応支援サイト より

2021年1月6日時点で、感染者数が最も多いのは東京都で66000人の感染者と656人の死亡者が報告されています。

次いで、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県、北海道、千葉県、兵庫県、福岡県、沖縄県の順に感染者が多く報告されています。

感染拡大を防ぐために私たちにできることは?

以上のように、世界中で感染者数と死亡者数は加速度的に増加しており、新型コロナウイルスの病態や感染が広がりやすい場面など、新型コロナの登場から1年以上が経過して多くのことが分かってきたにもかかわらず感染拡大に歯止めがかけられない状況です。

日本も現在過去最大規模の新型コロナの流行を経験しており、症例数もまだまだ増加傾向です。

日本国内でこれ以上深刻な流行を引き起こさないためにも、今こそ一人ひとりが感染対策を徹底すべき時です。

これ以上の感染拡大をくい止めるために、

・できる限り外出を控え人との接触を減らす

・屋内ではマスクを装着する

・3密を避ける

・こまめに手洗いをする

といった基本的な感染対策の遵守を、一人ひとりが意識するようにしましょう。

手洗い啓発ポスター 羽海野チカ先生作
手洗い啓発ポスター 羽海野チカ先生作

感染症専門医

感染症専門医。国立国際医療研究センターを経て、2021年7月より大阪大学医学部 感染制御学 教授。大阪大学医学部附属病院 感染制御部 部長。感染症全般を専門とするが、特に新興感染症や新型コロナウイルス感染症に関連した臨床・研究に携わっている。YouTubeチャンネル「くつ王サイダー」配信中。 ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。本ブログに関する問い合わせ先:kutsuna@hp-infect.med.osaka-u.ac.jp

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