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WBA/WBC/IBF/WBO4冠スーパーミドル級王者が練習を公開

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 現地時間9月13日、カリフォルニア州レイクタホで、WBA/WBC/IBF/WBOスーパーミドル級チャンピオン、サウル・”カネロ”・アルバレスが練習を公開した。9月30日に2階級下のスーパーウエルター級4冠統一王者、ジャーメル・チャーロの挑戦を受ける。

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 今回、カネロが選んだキャンプ地のレイクタホは、メキシコの英雄、フリオ・セサール・チャベスが好んでいた場所だ。WBCヘビー級タイトルマッチ、レノックス・ルイスvs.ヘンリー・アキワンデ戦が催された場所でもある。湖といっても、一見海のような群青色の水面が広がる避暑地だ。標高1897メートルと空気が薄く、スタミナをつけるにはもってこいだ。

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 カネロは言った。

 「私は常に最高の戦いをしたいと思っている。この試合が出来ることに興奮しているよ。ファンが話題にしてきた一戦だ。チャーロに自分のスキルを見せられることも、楽しみで仕方ないね。

 ジャーメル・チャーロは完璧に仕上げてくるだろう。彼は長い間私に電話をかけて、対戦を要求してきた。決して忘れやしない。彼は沢山のことを語った。彼と彼の兄は私の実力を信じていないが、試合が始まれば直ぐに気付くさ。それが私をこの戦いに駆り立てたんだ。こういった戦いは、モチベーションを上げてくれる。実は私は、過小評価されるのが好きなんだ。この戦いにワクワクしている理由はそこだよ。

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 どこにいたって、私のチームは100%の準備をする。レイクタホで、最初は上手く呼吸が出来なかった。でも、今はとても気分がいい。私を幸せに、かつ、強くしてくれる場所を見付けたんだよ。

 チャーロは168ポンドでも大丈夫だろう。私も以前、階級をアップしたので分かる。彼のような偉大なチャンピオンなら、問題無くコンディションを作る筈だ。

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 常に自分がナンバーワンだと信じている。キャリア全体を通じて、自分自身を信じる必要がある。とはいえ、トップファイターは一人だけではなく、何人かいるんじゃないかな。

 私はまだ若く、新鮮な気持ちを持っている。引退なんてまったく考えない。毎年トレーニングをこなして、戦っている。まだまだ最高の状態にあると感じるよ。

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 メキシコの代表としてリングに上がることを、とても誇りに思う。私は自分の国を心から愛している。リングに入ってメキシコの国旗を眺め、メキシコ国歌を聞くと素晴らしい気分になる。

 レイクタホは、非常に快適だ。これは本当に、私が今まで経験した中で最高のキャンプの一つだ。ケガなく、左手を100%使ったトレーニングをこなせるようになったことが嬉しい。その事実が私に自信を与えてくれる。自分が健康であることを理解しながらトレーニングすると、試合に対してより自信が湧いてくるね」

 9月30日の試合まで、2週間強。生き残るのはどちらか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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