トイレに関するおもしろ米国特許3選
米国の特許弁護士Jeff Steckという方が、ツイッターに米国の興味深い特許を定期的に投稿しています。投稿される特許は、その発想はなかった的なもの、どう考えても実用性ないだろう的なもの、過去の特許で歴史的意義があるもの等、様々ですが本記事では彼の投稿の中からちょっとおもしろかったトイレ関係の最近の特許3件をご紹介します。
まず、1本目 US10856706(”Toilet paper holster charging station”)、登録日は2020年12月8日、権利者は個人の方です。特許の内容はタイトル図そのまんまでトイレットペーパーホルダーとスマホ充電器を合体させるというものです。ここにスマホを置けると便利なのは確かなのですが、家庭内での使用では、充電に適するほどの長い間個室にこもることがあるかのという問題があります(人によるのかもしれませんが)。また、公共スペースのトイレだと、充電のためだけに個室を占有する人が出てきて問題になりそうです。
2本目は、US10874269("Lavatory enclosure-to-toilet device with replaceable cartridge for hygienic support of lowered slacks")、登録日は2020年12月29日、権利者はGiving CenterというNPO法人です。特許の内容は下図を見るとわかると思いますが、(特に公共の)トイレにおいてズボンが床に付いて汚れるのを防ぐために、ドアに折りたたみ式のアームを設けて支えるというものです。アームの先端部は交換可能な紙テープが巻かれたカートリッジになっており衛生性が保たれます。
こちらは、そこそこ実用性があるように思えますが、目的に対して仕掛けが大げさすぎる気がします。こういう折りたたみ構造のものが公共トイレにあってもすぐ壊されてしまうのではないでしょうか?ちなみに、自分の場合であれば、高いズボンを履いていて床が汚れていたときは、ズボンを完全に脱いでドア内側のコートハンガーにかけます。
3本目は、US10455817("Animal olfactory detection of disease as control for health metrics collected by medical toilet”)。登録日は2019年、権利者はMedic Incという普通の会社です。なかなかぶっ飛んでいると思うのですが、トイレの尿の匂いを犬に嗅がせて病気を診断するという発明です。図中の435はマウスピースで、人間が自分の尿の匂いを嗅ぐのではなく、呼気を尿と一緒に犬に嗅がせるためのものです。
犬の臭覚を利用して病気を診断するというのは真面目な研究が行われている分野ですが、その場合でも尿の匂いを嗅がせるのは少量の検体を取って行うのではないでしょうか?トイレからいきなり嗅がせるとどう考えても周囲の匂いによるノイズが多そうですし、匂いが強すぎて犬の鼻がすぐ駄目になってしまいそうな気がします。
ということで、今回はあくまでも話の種用の小ネタとしてご紹介しました。