世界のスマホ利用者、来年は19億人に達する見通し、2018年には世界人口の3分の1超に
米国の市場調査会社、イーマーケター(eMarketer)の推計によると、2014年の世界におけるスマートフォン利用者数は16億3900万人で、前年の13億1120万人から25%増えたという。
2016年は20億人、2018年は25億人突破
これが来年には同16.8%増の19億1460万人になる見通し。国連人口基金(UNFPA)によると、世界人口は約72億人と推計されており、これに基づくと、スマートフォン利用者は世界人口の4分の1以上を占めることになる。
利用者はその後も増え続け、2016年には21億5500万人と、初めて20億人を超え、2018年には25億6180万人に達するとイーマーケターは見ている。この時、世界人口の3分の1以上がスマートフォン利用者になるという。
先頃、米国の別の調査会社IDCが公表した今年の世界スマートフォン出荷台数は12億9000万台。この数は昨年約10億台で、一昨年は約7億台だった。これらのデータを見ると、スマートフォンは過去3年間で30億台近くが出荷されており、イーマーケターの数値には誤りがあるように思える。
だが、同社がまとめているのは、1台以上のスマートフォンを所有し、1カ月に1度以上利用している人の数。つまり複数台を持つ人を重複してカウントしていない。これがIDCとの数値に大きな差が生じた理由だ。
4年後には携帯電話利用者の半数以上がスマホ
イーマーケターのリポートで興味深いのは、2018年には全携帯電話利用者に占めるスマートフォン利用者の割合が51.7%となり、フィーチャーフォンが少数派になると予測している点だ。
これについて、米シーネットは、世界の携帯電話市場は大きな転換点を迎えると伝えている。というのも新興国の多く国では通信インフラが未整備のため、インターネットへの接続が困難な地域が多い。またスマートフォンはいまだに高価だ。こうした状況ではスマートフォンはたとえ購入しても無用の長物になるという。
だが、イーマーケターはこうした状況に変化が起きていると報告している。インターネットへのアクセスが至る所で可能になり、価格も下落してきたからだ。
同社によると、低価格のスマートフォンは、新興国市場で新たな商機を生み出すという。一方で成熟国市場ではスマートフォンが普及したことでメディア利用の形態が急速に変化している。
日本の利用者数、7位に後退へ
なおイーマーケターは国別の利用者数もまとめている。それによると、昨年の中国における利用者数は4億3610万人だった。同国のスマートフォン人口は世界最大となっている。これに次いだのが米国で、その数は1億4390万人。このあと、インドの7600万人、日本の4050万人、ロシアの3580万人と続いた。
今年は順位に変わりはないが、中国の利用者が5億1970万人となり、初めて5億人を超えると同社は予測している。また来年以降は順位に変化が表れるという。
例えば、2015年はロシアの利用者数が日本を上回り、同国は世界4位になる見通し。2016年にはインドが米国を抜いて2位になるという。
一方、今年3830万人で世界7位のインドネシアは、2018年に1億人を突破し、中国、インド、米国に続く世界4位になる。この時の日本の利用者数は6550万人。日本の利用者数はロシアのほかブラジルをも下回り、7位に後退するとイーマーケターは予測している。
(JBpress:2014年12月16日号に掲載)