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トラネキサム酸で赤ら顔を改善!?最新の酒さ治療法とは

大塚篤司近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授
(提供:イメージマート)

【トラネキサム酸とは?赤ら顔治療の新たな可能性】

皆さん、赤ら顔でお悩みではありませんか?顔が赤くなりやすい、ほてりやすいなど、気になる症状がある方も多いのではないでしょうか。実は、こうした症状の多くは「酒さ」という皮膚疾患が原因かもしれません。

酒さは、主に顔の中心部に赤みや血管拡張、さらには吹き出物のような症状が現れる慢性的な炎症性皮膚疾患です。30~50歳の女性に多く見られます。

これまでの酒さ治療では、抗生物質や血管収縮薬などが主に使われてきました。しかし、最近注目を集めているのが「トラネキサム酸」を用いた治療法です。

【トラネキサム酸治療の効果:赤みと炎症を抑える仕組み】

トラネキサム酸は、元々は出血を止める薬として開発されました。しかし、近年の研究で、肌の炎症を抑える効果があることがわかってきました。

酒さの症状改善に、トラネキサム酸がどのように働くのか、その仕組みを簡単に説明しましょう。

1. 皮膚バリア機能の改善:

トラネキサム酸は、肌の表面にある角質層のバリア機能を強化します。これにより、外部からの刺激に対する肌の抵抗力が高まります。

2. 免疫反応の調整:

酒さでは、過剰な免疫反応が炎症を引き起こします。トラネキサム酸は、この免疫反応を適切なレベルに調整する働きがあります。

3. 血管新生の抑制:

赤みの原因となる新しい血管の形成を、トラネキサム酸が抑制することも分かっています。

これらの作用により、トラネキサム酸は酒さの主な症状である赤みや炎症を効果的に抑えることができるのです。

【トラネキサム酸の使用法とオススメのアイテム】

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近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授

千葉県出身、1976年生まれ。2003年、信州大学医学部卒業。皮膚科専門医、がん治療認定医、アレルギー専門医。チューリッヒ大学病院皮膚科客員研究員、京都大学医学部特定准教授を経て2021年4月より現職。専門はアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患と皮膚悪性腫瘍(主にがん免疫療法)。コラムニストとして日本経済新聞などに寄稿。著書に『心にしみる皮膚の話』(朝日新聞出版社)、『最新医学で一番正しい アトピーの治し方』(ダイヤモンド社)、『本当に良い医者と病院の見抜き方、教えます。』(大和出版)がある。熱狂的なB'zファン。

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