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HSPが不安障害と診断されたら!?治療法や不安を解消する4つの方法を紹介

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

HSPの人の中には、「人前で緊張してうまく話せない」「時々息苦しさやめまいがする」「不安や緊張で焦ってしまう」というような症状に悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

繊細な気質を持っているHSPは、日常生活を送ったり仕事をする中で、不安を感じやすい傾向があります。

もし過剰な不安や緊張によって生活に影響が出ている場合は、『不安障害』の可能性があります。

今回はHSPと不安障害の関係、不安障害と診断されたときの対処法、不安を解消するための方法について紹介します。

HSPと不安障害の関係

不安障害(不安症)とは、強い不安や緊張によって大きな苦痛を感じ生活に支障が出てしまう状態のことをいいます。

たとえば、「人が多い場所が怖い」「人前で発表する時に異常に汗をかいたり手足の震えが止まらなくなる」「電車などの公共機関を利用しているときに動悸や息苦しさでパニックになりそうになる」などというような症状がある場合、不安障害の可能性が高いでしょう。

不安障害を発症する原因はさまざまですが、もともと心配性な人や神経質な人、不安を感じやすい人は不安障害になりやすいと言われています。

外部からの刺激や感情を敏感に察知してしまうHSPは、不安を感じやすい傾向があり、何らかの出来事をきっかけに不安障害を発症するケースがあります。

HSPが不安障害と診断されたときは

適切な治療を開始する

強い不安や緊張で日常生活に支障が出ているときは、無理をせずに専門の医療機関で診てもらいましょう。

早期に適切な治療を開始することで、普通の人と同じように過ごすことができるようになります。

不安障害の治療には精神療法と薬物療法があり、ご自身の症状に合わせて医師と相談しながら治療を進めていきます。

薬を服用することに抵抗や疑問がある場合は、遠慮せずに医師に伝えることが大切です。

「早く治さないと」という焦りは症状を悪化させてしまう恐れがあるので、ゆっくり症状と向き合って治療を進めていきましょう。

環境を調整する

HSPは、周囲の変化や他人の感情などに敏感に反応してしまう特性があります。

些細なことにも気がつくので、それによって疲労やストレスを溜め込んでしまう人も多いのではないでしょうか。

まずは、どのようなことに対してストレスや不安を感じるのか、その不安をどうすれば減らすことができるのか一度考えてみることが大切です。

仕事でのストレスが多い場合は業務量を調整して残業を減らしたり、満員電車に乗ることが苦痛であればリモートワークができる仕事を探してみるなど、少しでも快適に過ごせるように環境を調整できないか考えてみましょう。

HSPの不安を解消する4つのポイント

HSPの気質を理解する

不安を解消するためには、HSPの気質を理解することが何よりも大切です。

自分がどんな場面に対して不安を感じるのかを理解することにより、対策を立てやすくなります。

HSPには以下のような特徴があります。

・共感力が高い

・物事を深く考える

・刺激に敏感

・些細なことに気が付く

これらの気質をよく理解した上で、「何に対して不安を感じるのか」をよく考えてみましょう。

たとえばHSPは物事を深く考える特性があるため、他の人よりも不安や心配を感じやすい傾向があります。

言葉の裏を考えすぎてしまったり他人の顔色をうかがって、不安になることも多いのではないでしょうか?

このように、「なぜ自分は不安を感じやすいのか?」を客観的に考えてみることで、落ち着いて感情を捉えやすくなるでしょう。

物事をプラスに捉える練習をする

HSPは深く考えることが得意で、思慮深い一面を持っています。

その特性ゆえに、物事のネガティブな部分に目が行きがちなのではないでしょうか。

ネガティブな面やマイナス思考にとらわれていては、不安が増幅してしまうので注意しましょう。

まずは、物事を別の側面から捉え、プラスに受け止める練習をしてみてはどうでしょうか。

たとえば、HSPの特性である「周りの顔色を見て意見を合わせてしまう」という一面は、「協調性がある」という風に言い換えることができます。

このようにポジティブな思考を習慣づけることで、不安の緩和へと繋がるでしょう。

刺激への対策をする

HSPは常に外部からの刺激を敏感に受け取っているので、何もしていなくても疲労やストレスを感じていたり、不安状態に陥りやすい傾向があります。

そのため、刺激から身を守る工夫をしてストレスや不安を軽減することが大切です。

たとえば、強い光に対する刺激にはサングラスや偏光レンズのメガネを使う、スマートフォンはダークモードに切り替えるなどといった対策を取ると良いでしょう。

視覚以外にも、味覚、嗅覚、聴覚、触覚が敏感なので、それらの刺激に対する対処法を持っておきましょう。

HSPの気質に合った仕事をする

不安障害は、社会生活や人との関わりをきっかけとして発症する人が多いです。

特に繊細なHSPは、仕事を通して不安やストレスを抱え込んでしまう人が多いのではないでしょうか。

職場の環境や人間関係、業務内容によっては過剰に不安を感じてしまうこともあるでしょう。

怒鳴り声が多い、職場内の雰囲気がピリピリしている、ミスが許されない空気など、他人の感情を敏感に察知してしまうHSPにとっては強い刺激になり得ることがあります。

仕事を選ぶ際は、以下のようなポイントを踏まえて考えてみてください。

・一人で黙々と作業できる

・上司に相談しやすい環境がある

・人間関係が良好

・業務量や業務内容が自分のレベルに合っている

マルチタスクやイレギュラーが多い、クレーム対応がある仕事はHSPにはあまり向いていません。

なるべくストレスにならないように、自分の特性に合った仕事を探しましょう。

まとめ

今回は、不安障害とHSPの関係、不安障害と診断されたときの対処法、不安を解消するポイントについて紹介しました。

HSPの気質は生まれ持ったものであり、なかなか変えることはできません。

しかし、自分の気質を理解して刺激やストレスを減らすように工夫することは可能です。

ネガティブな考え方や不安な気持ちを緩和させるためにはどうすればいいのか、じっくり向き合ってみましょう。

つらい症状が長く続いているときは、無理をせずに精神科や心療内科を受診するようにしてくださいね。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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