「安倍晋三記念小学校」、9割引どころかタダ同然で国有地取得―控除理由の作業も国側「確認してない」
学校法人「森友学園」が大阪府豊中市に開校予定の私立小学校の建設をめぐり、その用地となる国有地を国側が不当に安価な価格で売却したのではないか、との疑惑がにわかに問題となっている。この私立小学校「瑞穂の國記念小学院」の名誉校長とされるのは、安倍晋三首相夫人の昭恵さんであり、さらには森友学園は、同小学校の開校のため「安倍晋三記念小学校」という名目で寄付を呼び掛けていたことが発覚。財務省近畿財務局が国有地を森友学園に売り渡した経緯の不透明さが論議を呼んでいる。国会でも、この問題が追及され、玉木雄一郎衆議院議員の質疑により驚愕の事実が明らかにされた。
○「9割引」どころか、タダ同然で国有地を取得
朝日新聞などの報道によると、「安倍晋三記念小学校」こと、「瑞穂の國記念小学院」の用地買収では、9億5600万円という価格が提示されたが、用地の地下に廃材や家庭ごみなどの埋設物があるとして、その除去のため8億1900万円が控除され、森友学園の支払額は、1億3400万円とされた。近接するほぼ同じ面積の国有地が豊中市に売却された際の14億2300万円の、実に10分の1以下、「9割引き」の安値である。だが、それにとどまらず今月20日の衆院予算委員会で、さらなる「大幅値下げ」が明らかにされた。民進党の玉木雄一郎衆議院議員が追及したところによると、8億1900万円の控除とは別に、国側は埋設物除去や土壌汚染対策として、1億3200万円を森友学園を支払っていたというのだ。この指摘は国側も認めている。つまり、9億5600万円と提示された土地を、たった200万円で国は森友学園側に譲り渡した、ということになるのだ。「9割引」どころか、もはやタダ同然だ。
○8億1900万円控除の埋設物除去作業は本当に行われたのか?
いくら、地下に埋設物があり、土壌汚染があったとしても、9億5600万円の土地が200万円になるというのは、おかしくはないか。当然、埋設物除去や土壌汚染対策での控除額、国から支払われた費用が妥当なものだったか、精査する必要がある。昨日21日、玉木議員ら民進党の議員団は、現地を視察。今年4月1日に開校する予定でもあるのにもかかわらず、大量の埋設物を運び出すのに必要な数千台のダンプカーが行き来したという目撃情報がないことや、近畿財務局と大阪航空局への聞き取りで、8億1900万円の控除分の、埋設物除去作業が実際に行われたか、確認すらしていないことが明らかになった。埋設物除去作業が行われているか否かについては、今月17日の衆院予算員会でも、福島伸享衆議院議員(民進)が質問、国側が事実確認していないことが判明している。
安倍首相はこの問題について国会で追及された際、「私がかかわったとなれば、首相も、国会議員も辞める」と、宣言した。疑わしいところは何も無いというならば、森友学園への国有地払下げについて、徹底的な調査と情報開示をしていくべきだろう。
(了)