寒さと大雪に警戒 1月7日からの寒気は今冬一番の寒気
今冬一番の寒気
日本列島は、12月中旬より繰り返し寒気が南下してきました。
現時点で、今冬一番の寒気は、年末から年始にかけてのものです。
12月31日は気温を観測している全国920地点のうち759地点(83パーセント)が最低気温0度未満の冬日、382地点が最高気温0度未満の真冬日でした(図1)。
日本列島に南下する寒気の目安として、上空約5500mの気温が使われます。
上空約5500mの気温が氷点下30度以下なら強い寒気、氷点下36度以下なら非常に強い寒気で大雪の可能性もあります。
令和2年(2020年)の末年から年始の寒気は、北海道では、氷点下36度どころか、氷点下42度以下という、真冬でもなかなか出現しない強烈なものでした。
このため、北日本の日本海側や北陸だけでなく、山陰地方まで大雪となり、鳥取県大山では12月30~31日の2日間に104cmの降雪がありました。
強かった年末年始の寒気も少し小康状態となって三が日が明けましたが、1月5日には日本海と南岸をともに前線を伴った低気圧が通過します(図2)。
そして、これらの低気圧の通過後は、西高東低の冬型の気圧配置となって年末年始に南下してきた寒気より強い寒気が南下してきます。
北海道に南下する寒気は、上空約5500mで、氷点下45度以下です(図3)。
温かい日本海と大雪
日本海の海面水温は、冬になって下がったといっても、南部は15度以上もあります(タイトル画像参照)
これは、本州に沿って対馬暖流が流れているからですが、南下してくる寒気にとっては、非常に暖かい海です。
1月8日の朝に氷点下36度の非常に強い寒気が能登半島付近まで南下してきますが、海面との温度差は50度を越えます。
日本海から多量の熱と水蒸気が大気に補給され、大気は不安定となって雪雲が発達し、日本海側の地方は大雪となります。
気象庁では、5日先までの大雪警報を発表する可能性を「高」「中」の2段階で示した早期注意情報として発表しています(図4)。
これによると、東北地方の日本海側から北陸地方は1月7日から9日に、近畿北部から山陰地方などは8日から9日に大雪警報が発表される可能性が「中」となっています。
また、暴風警報(暴風雪警報)が発表される可能性は東北地方の日本海側から北陸、九州北部で「高」となるなど、強い風が吹く見込みです。
広い範囲で雪や暴風に警戒が必要です。
図5は、1月5日から7日の72時間予想降雪量ですが、東北地方の日本海側から北陸地方では、山沿いを中心に100cm以上の降雪が予想されています。
ここで72時間といっても、ほとんどが1月7日に降る量です。
そして、1月8日以降も、さらに雪が降り積もる予報ですので、最新の情報の入手に努め、警戒してください。
東京の気温変化
東京の最高気温と最低気温の推移をみると、松の内が明ける1月8日から10日は、年末年始並みに気温が低くなる予報です(図6)。
そのあとは、気温が高めに推移する予報です。
ウェザーマップの16日先までの天気予報でも、1月11日の成人の日は黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)ですが、それ以外の日はお日様マーク(晴れ)か白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)です(図7)。
太平洋側の地方は、東京のように晴れの日が多い予報ですが、日本海側の地方では新潟のように曇りや雪の日が多い予報となっています(図8)。
新潟は、雪ダルママーク(雪)や黒雲マークの日がほとんどです。
また、南西諸島は曇りや雨の日が多い予報となっており、各地とも、冬の典型的な天気分布が持続する見込みです。
タイトル画像、図2の出典:気象庁ホームページ。
図1、図4の出典:ウェザーマップ資料をもとに著者作成。
図6の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ資料をもとに著者作成。
図3、図5、図7、図8の出典:ウェザーマップ提供。