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藤井聡太竜王(20)銀河戦2度目の優勝! 決勝で高見泰地七段(29)に完勝

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 12月27日。第30期銀河戦決勝▲藤井聡太竜王(20歳)-△高見泰地七段(29歳)戦が放映されました。棋譜は公式ページでも公開されています。

 藤井竜王先手で、戦型は角換わり腰掛銀となりました。

 36手目、後手の高見七段は4筋、玉の下に飛車を回ります。近年、しばしば見られる手法で、間合いをはかりながら、相手が4筋から攻めてきたときの反撃も含みとしています。

 対して藤井竜王は39手目、4筋から仕掛けていきました。高見七段が受けきれるかという中盤。細いようにも見えた藤井竜王の攻めは急所をとらえ、いつしか形勢に差がついていました。

 ここまで終盤のねじり合いを制して、強敵を連破してきた高見七段。しかし本局は相手の指し回しが完璧すぎて、結果的にはノーチャンスに終わったようです。

 藤井竜王の攻めは最後までパーフェクト。高見七段に反撃のいとまを与えることなく、91手で押し切りました。

 今期銀河戦ではブロック最終戦、そして決勝と、2回戦った両者。結果はいずれも、藤井竜王が制するところとなりました。

 藤井竜王は本棋戦において、2年ぶり2回目の優勝を飾りました。

 藤井竜王は今年度、超早指しの新銀河戦(準公式戦)でも優勝しています。

 棋王挑戦を決め、これからタイトル六冠にチャレンジと、将棋界のあらゆる栄冠を手中に収めつつある藤井竜王。まだまだ快進撃は続いていきそうです。

 早指しのトーナメント棋戦においては、日本シリーズと銀河戦で優勝。この先、朝日杯とNHK杯も制覇する可能性も残されています。

 銀河戦は優勝、準優勝者でも次期の決勝トーナメントシードはありません。来期本戦トーナメント表はすでに発表されており、高見七段はAブロック、藤井銀河はHブロックです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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