【京都市右京区】足利義満建立の古刹は紅葉の穴場 嵐山のすぐ近くなのに静かに拝観できる! 見事な色づき
「鹿王院」は、臨済宗に属する禅寺で、足利義満によって1379年(康暦元年)に建立されました。参道のモミジのトンネルや嵐山を借景とした庭園、境内中で見事な紅葉を愛でることができる、知る人ぞ知る古刹です。
しかし、JR「嵯峨嵐山」駅から徒歩5分、京福嵐山線「鹿王院」駅からだと徒歩3分という好立地にもかかわらず、訪れる人はそう多くなく、まだまだ穴場と言えるかもしれません。そんな鹿王院を2023年11月26日に訪問すると、紅葉が綺麗に色づき見ごろを迎えていました。
まずは、本柱が棟まで立ち上がる禅寺門形式で唯一の創建当時(1379年)の古い中世様式の遺構である山門をくぐります。山号「覚雄山」の三字扁額は開基足利義満の自筆だそうです。その山門から中門にかけての参道には青苔が茂り、竹林・椿・紅葉の回廊がつづき天台烏薬の銘木もあります。
本庭は、嵐山を借景とした平庭式枯山水苔庭です。舎利殿の東側に広がる庭園で、「鹿王院庭園」の名称で京都市の名勝に指定されています。庭園には三尊石や坐禅石を中心とした石組が配置されており、樹齢300年を越えるモッコクは古木としての風格を備えています。こちらの紅葉も綺麗に色づき見ごろを迎えていました。江戸時代中期の1763年(宝暦13年)頃に作庭されたと言われます。
本庭の中心に見える禅宗様の舎利殿には、「仏牙舎利」が奉安されています。この仏牙舎利は、鎌倉幕府三代将軍源実朝が宋より取りよせ、後光厳天皇から普明国師に下賜されたものだと言います。四方に仏法護持の四天王を安置し、天井には龍図が描かれています。
ところで禅宗の寺で多い「龍図」は何故、法堂などの天井に描かれるかご存じですか? 雨の恵みをもたらす龍の伝承に因み、法(釈迦の教え)の雨を降らせるという意味があるんだそうですよ!
客殿には、「鹿王院」の三字扁額が掲げられていました。これも足利義満の自筆だと言います。
歴史と自然の世界が織りなす禅の世界へぜひ足をお運びください!
仏牙寺 鹿王院(外部リンク)京都市右京区嵯峨北堀町24 075-861-1645