【京都市左京区】この秋どこ行く! 幕末の女スパイ隠棲の紅葉名所。和と洋の人が夫婦になって生まれた菓子
京都一乗寺にある知る人ぞ知る紅葉名所でもある臨済宗南禅寺派の金福寺は、桜田門外の変で暗殺された井伊直弼大老の間者(女スパイ)であったといわれ、NHK大河ドラマ第1回放映の「花の生涯」のヒロインともなった「村山たか女」隠棲の地としても知られます。
また、俳諧の聖地ともいわれ、茅葺の「芭蕉庵」を望む、七代目小川治兵衛作庭の枯山水庭園が絶景です。その金福寺を2024年11月10日に訪れてみると、まず初めに紅葉するという山門を入って直ぐのドウダンツツジが少し赤みを帯びていました。
同寺を管理する立命館大学文学部の小関素明日本史研究学域教授に伺うと、「紅葉は山門付近から中門、庭園へと徐々に始まります。今年は遅れているようですので、11月末から色づきはじめ、12月に入ってからも楽しめるのでは」と話されていました。
金福寺の創建は古く平安時代の864年。慈覚大師円仁を遺志を継いだ安恵僧都により創建された当時は天台宗の寺院でしたが、江戸時代中期の元禄年間に「園光寺」の鉄舟和尚に再興されて以降は臨済宗南禅寺派となりました。鉄舟和尚と親しかった松尾芭蕉が茅葺の草庵を訪問し、その後一時荒廃した後の1776年(安永5年)に与謝蕪村により再興されました。
金福寺を参詣した後に立ち寄りたいのは、米粉と丹波小豆を練り竹の皮に流して蒸した「でっち羊かん」が名物の老舗和菓子店「一乗寺中谷」です。
実はこの店、21年前に和菓子職人の現在の店主中林英昭さんとパティシエだった恵子さんが一緒になって、二人のコラボレーションによる「絹ごし緑茶てぃらみす」などの和洋折衷の商品が誕生しました。
現在人気なのが、京都の白味噌と香ばしい木の実を合わせた「白味噌と木の実のケーキ」です。 生地の中にはリンゴのコンポートが入っていて、ごろっとした食感とさわやかな白味噌とヨーグルトの旨味が絶妙にマッチしためちゃ美味の逸品です。2週間日持ちするようですので、観光客の方のみやげ物にも良いですね。
この秋、まだまだ魅力満載の一乗寺周辺へ足を運んでみてはいかがでしょうか!
金福寺(外部リンク)京都市左京区一乗寺才形町20 075-791-1666
一乗寺中谷(外部リンク)京都市左京区一乗寺花ノ木町5 075-781-5504