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【京都市上京区】紅葉の穴場神社で開催の文学賞大賞は千体観音の顔にまつわる話。みたらしやあご肉グルメも

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)
完成した「萩のアーチトンネル(萩のまにまに)」

梨木神社は、京都御所清和院御門に隣接し、文学と学問の神様として、幕末動乱期に活躍した三條實美(さねとみ)やその父三條實萬(つねさむ) を祀り、「萩の宮」としても知られ、源氏物語の舞台ともなりました。その梨木神社境内で「神社仏閣をもっと身近に実行委員会」が主催した「第1回京都やおよろず文学賞」(外部リンク)授賞式が2024年11月9日に行われました。

同実行委員会によると作品の応募は10月13日に締め切られ、「京都と神頼み」「京都と愛」「京都と幕末」「京都と雅」の4つのテーマで執筆される800字の短編小説の応募に446通の力作が応募されたといいます。

佳作となったケムニマキコさんの「ほとりの公園」や神農さんの鴨川ラーメンなど20作品が最終ノミネートされました。見事大賞となったのは、箔塔落さんの「あなたはここにいる」で、三十三間堂の十一面千手千眼観音立像が必ず誰かに似ているという噂にまつわる話の情景を800字の中にぎゅっと詰め込んで見事に表現しました。

授賞式に先立って、作家大滝瓶太(外部リンク)さんと「出町座」CAVABOOKS(外部リンク)の 宮迫憲彦店主によるトークショーも開催されました。「昨今では同人誌や地方文学賞などの受賞者などからも活躍する作家が多く輩出されてきている」ことなどが話され、会場からも作家を目指す人たちからの多くの質問が出されていました。

授賞式当日は、同実行委員会によって「萩のアーチトンネル(萩のまにまに)」が誕生していて披露されました。500株以上の萩が織りなすこのアーチは、京都西山の放置竹林を整備して切り出し、京都大学建築学部の学生や竹の魅力を伝える「“竹垣専門店”長岡銘竹株式会社」(外部リンク)、「JA京都市」の協力で創り出されました。

残念ながら萩の見ごろは過ぎていましたが、水や風のように流れる曲線が人々をトンネルへ誘い、砂利道側と鳥居側で異なる時間の流れを演出して架け橋とする魅力的なアーチ「萩のまにまに」に来年もまた来ようとの声がしきりでした。

境内にてさまざまな作家や文芸愛好家による同人誌が一堂に会する「ことなり京都文芸同人誌即売会」なども開催され、珍しい豚のあご肉丼や「おむすび柿の木」(外部リンク)の明太子たまごおむすびはじめ美味いおむすび、酒・肴タナゴコロ「ぶらり食堂」(外部リンク)のみたらし団子や唐揚げなどのグルメキッチンカーも大評判でした。

折しもNHK大河ドラマで吉高由里子さん演じる紫式部ゆかりの地で、来場者らは、文学の息吹にふれながらゆったりとした時間を過ごすことが出来たようです。

これから境内の紅葉も綺麗に色づきそうです。完成した「萩のまにまに」の御朱印も引き続き梨木神社で授与されますので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか!
梨木神社
(外部リンク)京都市上京区染殿町680 075-211-0885

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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