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OPSリーグ1位と2位が揃う打線の得点力は高い!? セのトップ2は東京ヤクルトの村上宗隆と青木宣親

宇根夏樹ベースボール・ライター
東京ヤクルトの選手のOPS1位は、5年前の山田哲人以来 June 19,2020(写真:アフロ)

 今シーズン、セ・リーグのOPSトップ2には、東京ヤクルトスワローズの選手が並んだ。1位が1.012の村上宗隆、2位は.981の青木宣親だ。ちなみに、3位は.953の鈴木誠也(広島東洋カープ)。2016年以降、鈴木は5年続けてトップ3にランクインしている。それぞれの順位は、3位(1.015)、1位(.936)、2位(1.057)、1位(1.018)、3位だ。

 1985年以降、同じ球団の選手がOPSトップ2を占めたのは、今シーズンの東京ヤクルトが延べ16球団目。その前は、2018年に広島東洋の丸佳浩(現・読売ジャイアンツ)と鈴木が、1.096と1.057を記録した。

筆者作成
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 OPSトップ2の選手が揃う球団は、基本的に、打線全体のOPSも高い。16球団中12球団のOPSは、リーグ1位か2位だ。この12球団は、得点も1位あるいは2位に位置している。

 一方、残る4球団は、OPSトップ2の選手を擁しながら、打線全体のOPSは高くなく、得点もそう多くはなかった。

 それでも、2008年と2010年のオリックス・バファローズはOPSも得点も3位、2014年の埼玉西武ライオンズはOPSが3位で得点は4位だ。今シーズンの東京ヤクルトのように、どちらも5位(ワースト2位)というケースはなかった。さらに時代を遡ればあるのかもしれないが、おそらく、極めて珍しいと思われる。

 昨シーズンの東京ヤクルトは、OPS.727も656得点も、読売の.757と663得点に次いだ。そこからの急降下――1試合の平均得点は0.7点近く減少――の理由として、まず挙げられるのが、山田哲人の不調とウラディミール・バレンティンの退団だ。2014年ほどではなかったものの、昨シーズンも、この2人が記録したOPS.961と917は、リーグ3位と4位に位置した。バレンティンは福岡ソフトバンクホークスへ去り、山田はここ7シーズンで最も低いOPS.765に終わったのみならず、出場試合は7年ぶりに100を割った。村上と青木のOPSは、どちらも前年比150ポイント以上のアップながら、打線全体のダウンを食い止めるには至らなかった。

 もっとも、今シーズンだけでなく、打線のOPSと得点が上位だった昨シーズンも、東京ヤクルトは最下位に沈んだ。両シーズンの防御率は4.78と4.61。いずれも、5位の球団と50ポイント以上も離れている。最下位から抜け出すには、打よりも投の向上が必要だろう。

 なお、1950年に国鉄スワローズとして誕生以来、2年連続の最下位は何度かあったが、それが3年連続となったことは、これまでまだ一度もない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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