8月のトレード総括―ポストシーズンに向けた補強。1ヵ月に2度トレードされた選手も
8月31日は「第2のトレード・デッドライン」だ。9月に入ってもトレードはできるが、その選手はポストシーズンには出場できない。今年も、最終日にはかなりの大物も動いた。2013年にMVPを受賞したアンドルー・マッカッチェンは、サンフランシスコ・ジャイアンツからニューヨーク・ヤンキースへ移った。トロント・ブルージェイズからクリーブランド・インディアンズへ移籍したジョシュ・ドーナルソンは、2015年のMVPだ。
下のリストは、ポストシーズン進出をほぼ確実にしているか、ポストシーズン進出をめざす球団が、8月に加えた選手だ。トレード(ウェーバー経由)だけでなく、ウェーバー公示されていた選手の獲得や、FAだった選手との契約も含んでいる。
ア・リーグ東地区と西地区の首位にいる、ボストン・レッドソックスとヒューストン・アストロズは、動きがなかった。ウェーバーを経由せずにトレードできる7月31日までに、レッドソックスはネイサン・イオバルディとイアン・キンズラー、アストロズはロベルト・オスーナとマーティン・マルドナードを獲得している。7月のトレードについては、「トレード・デッドライン総括。最大のサプライズは、あのエースをあの球団が獲得したこと!?」で書いた。
7月に投手陣を整備したヤンキースは、それに続き、今度は外野手と遊撃手、マッカッチェンとアデイニー・エチャバリアを手に入れた。もっとも、この動きはアーロン・ジャッジとディーディー・グレゴリアスの故障に伴うものだ。エチャバリアは、8月6日にタンパベイ・レイズからピッツバーグ・パイレーツへトレードされたばかりだった。
ミルウォーキー・ブルワーズは8月も精力的に動き、先発投手陣にジオ・ゴンザレス、野手陣にカーティス・グランダーソン、ブルペンにゼイビア・セデーニョらを加えた。昨シーズン、ブルワーズは地区首位でオールスター・ブレイクを迎えながら、ポストシーズン進出を逃した。今シーズンも、前半戦を終えた時点ではワイルドカードの1番手にいただけに、昨シーズンの二の舞は避けたいところだろう。現時点では、ロサンゼルス・ドジャースに2.5ゲーム差をつけ、ワイルドカードの2番手に位置している。
なお、シアトル・マリナーズがアリゾナ・ダイヤモンドバックスから獲得したクリストファー・ネグロンは、今シーズン、メジャーリーグでは2試合にしか出場しておらず、過去の実績からしても補強とは言い難い。地区首位からもワイルドカードの2番手からも5ゲーム以上離されているマリナーズは、このまま「最もポストシーズンから遠ざかる球団」であり続けるのだろうか。